概要
Overview猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫コロナウィルスが原因となり、腹膜(胃や肝臓など臓器の表面とそれらの臓器がおさまっている腹腔を包んでいる膜)に炎症が起こる病気です。このウィルスに感染しても猫伝染性腹膜炎が発症しないこともありますが、一度発症してしまうと完治が難しい病気です。
原因
猫コロナウィルスによって起こる病気です。猫コロナウイルスに感染しても多くの場合は無症状ですが、時々呼吸器症状腸炎を引き起こすことがあります。猫コロナウイルスの一部が突然変異を起こすと、猫伝染性腹膜炎を引き起こす病原性を持つようになると考えられています。
猫コロナウイルスは感染したネコちゃんの糞便や尿、分泌物に排出され、これらに触れることで口や鼻から感染します。
症状
猫伝染性腹膜炎の症状は、「ウェットタイプ」「ドライタイプ」の 2 つの症状に分類されます。感染したネコちゃんの大部分が「ウェットタイプ」の症状を示し、体重減少・元気減退・発熱等の症状とともにお腹や胸に水が溜まり(お腹に溜まった場合は腹水、胸に溜まった場合は胸水と呼ばれます)、腹水や胸水が肺を圧迫することにより呼吸困難などの症状を起こします。また、「ドライタイプ」では、体重減少・元気減退・発熱等の症状とともに眼にぶどう膜炎や虹彩炎などの症状を起こしたり脳内に炎症を起こし神経症状を起こします。その他、腎臓や肝臓・腸にも異常が現れることがあります。
どちらのタイプも、初期症状は発熱や食欲低下等が主なため、発見しにくい病気の一つです。
治療
現在のところ、猫伝染性腹膜炎を完全に治す治療法はありません。有効であったとされる治療の報告も散見されますが、十分な検証がなされておらず、いまだ確立された治療法がないのが実情です。
海外では新薬なども出ていますが、日本で承認されているものはまだありません(※2021年1月時点)。
実際の治療としては抗生物質や抗炎症剤、インターフェロン等を用いた対症療法を行いネコちゃんの症状を緩和してあげることが主体となります。ネコちゃんがこの病気を発症すると、多くの場合、数日から数ヶ月で命を落とします。
予防
猫伝染性腹膜炎のワクチンは、まだ日本にはありません。海外にはワクチンがありますが、その有効性ははっきりわかっていません。そのため、ネコちゃんを猫コロナウィルスの感染から守るために、感染ネコちゃんとの接触を避け、室内飼いに徹しましょう。また、ストレスのかからない快適な環境を作り、普段から上記のような症状がないか健康管理に気を配ることも大切です。
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みなさんからのコメント
Comment猫ちゃんに胸水が溜まる原因はFIPなどの感染症の他に、外傷、横隔膜ヘルニア、心臓疾患、腫瘍などが考えられます。
呼吸がしづらい状態かと思いますので、お家ではできるだけ安静に過ごせるようにしてあげてください。
また猫ちゃんの状態や手術方法などがこちらでは分かりかねるため、手術のリスクについてはかかりつけの先生にご相談なさってください。
「ねこけん FIP」で検索をしてみて下さい🙇
こちらのサイトを頼ってみて下さい。元気になってくれますように