どうぶつ防災図鑑
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被災したペットの命を繋ぐ～アニコムプライムカーとは～

被災したペットの命を繋ぐ
～アニコムプライムカーとは～

2025.06.20

災害時、ペットの“命”を守るために

日本は災害大国。
災害が発生したら、ヒトだけでなく、かけがえのない存在のペットも被災します。

そんな「万が一」が起きてしまったその時に、大切なわが子の命を救いたい、治療をしてあげたいという飼い主様の想いに応え、少しでも安心していただけるよう
アニコムでは被災地でペットの救助や治療を行う「アニコムプライムカー」を活用しています。

「アニコムプライムカー」とは

「アニコムプライムカー」とは、ケガをしたり具合が悪くなったりしたペットに対して、応急処置や簡易診療ができる設備をもった「どうぶつ用災害診療車」です。

アニコムプライムカーが導入された背景には、2011年3月11日に発生した「東日本大震災」での経験があります。

当時、被災地のペットたちを救うべく、獣医師を含むアニコムのスタッフが獣医療支援に向かいましたが、必要な物資や設備は津波で流されてしまい、獣医師がいても十分な支援をすることが難しい状況に直面しました。

その悔しい教訓を活かして、必要な物資・設備を積んで被災地に向かうことができる「動く動物病院」となるべく、「アニコムプライムカー」が導入されました。

この車両は大型キャンピングカーを改造して作られたもので、扉で仕切ることができる「診察室」を備えています。
また「待合室」スペースも設けてあり、震災で傷ついたペットや飼い主様が治療を待つ間、少しでも安心して快適に過ごせるよう配慮されています。

また、簡易ベッドやキッチンも備えることで、被災地に負担をかけることなく、スタッフも十分な休息をとれる環境を実現しました。

実際の活動について

■2016年熊本地震

発災から約10日後、熊本県獣医師会からの派遣要請を受け、アニコムからのべ８名の獣医師がプライムカーで現地に向かいました。

VMAT（災害派遣獣医療チーム）を擁する福岡県獣医師会と協働し、避難所をまわってストレスから体調を崩すペットたちの診療を行ったり、飼い主様の相談を受けたりといった獣医療支援を行いました。

2016年熊本地震の支援記録 | どうぶつ防災図鑑｜アニコム損保

■2018年西日本豪雨

2018年７月上旬の集中豪雨で、甚大な被害を受けた西日本。岡山県獣医師会の派遣要請により、7月27日に獣医師3名を乗せたプライムカーが現地入りしました。

動物病院も被災し、多くの医療機器、薬品が水没してしまいました。
現地の物資、設備がほぼ使用できないという状況のなか、避難所をまわり、ペットたちの診療、応急処置などを実施しました。
また、被災状況が落ち着くまでプライムカーの貸し出しを継続し、現地の獣医療復興にも貢献しました。

2018年西日本豪雨災害の支援記録 | どうぶつ防災図鑑｜アニコム損保

■2022年静岡豪雨

猛烈な豪雨が静岡県を襲うなか、焼津市で土砂崩れが発生し、近隣に住むブリーダーのもとにも避難指示が発令されました。
しかし豪雨の中、飼育している32頭の犬たちを連れて避難することは容易ではありません。

途方に暮れたブリーダーから、アニコムの社員に「犬たちを置いて逃げることはできない」と連絡が入ります。
そこでアニコムはプライムカーなどで現地に赴き、32頭の犬たちを救助。
グループが運営する病院を一時預かり先として、被災地の安全が確認できるまでアニコムのスタッフ、獣医師による健康管理を実施しました。

2022年静岡豪雨の支援記録 | どうぶつ防災図鑑｜アニコム損保

■2024年能登半島地震