2022年静岡豪雨の支援記録

2022.12.08

2022年6月、静岡県で大雨が発生し、近隣のブリーダーさんが飼育していた犬32頭が被災しました。アニコムではグループが保有する動物病院跡地に犬を移動するなど、保護活動を行いました。その時の活動についてご紹介します。

「犬を置いて逃げるように」の指示

6月20日に発生した大雨により、静岡県焼津市で土砂崩れが発生。同地域に住んでいたブリーダーさんにも避難指示が出されました。

ブリーダーさんは消防や警察から、「犬はどこかに預けるか、人命を優先し置いて逃げるように」と指示を受けたといいます。自分の身にも危険が迫っていましたが、犬の命や、犬が逃げ出したら周辺の方に迷惑がかかることを考えると、犬を残して逃げることはできませんでした。

しかし、飼っていた犬とともに避難する先も方法もなく、犬たちの行き場がなくなってしまったため、ブリーダーさんはアニコムの社員に相談をしました。事態を知ったアニコムは、32頭の犬をグループの愛甲石田どうぶつ病院(移転前跡地)にて預かることを決めました。

「すぐに動いてもらえて助かった」

犬の搬送は、6月21日の夜にかけて行われました。搬送には東日本大震災の教訓から生まれたアニコム保有のどうぶつ用診療車「アニコムレスキューカー」も活躍しました。

病院への搬送後はアニコムグループのスタッフがトイレや掃除、トリミングやシャンプーなどのお世話を行いました。不調のある子たちに対しては、グループの獣医師が治療を行いました。犬たちの世話は、7月1日に被災地の安全が確認されるまで続きました。

救助活動に対して、ブリーダーさんは「すぐに動いてもらえて助かった」と感謝を口にしていました。

災害とどうぶつの命

本記事のブリーダーさんは、命に危険が迫る中でも犬を置いて行かず、アニコムに助けを求めました。同様に災害時に、危険が迫る中でもどうぶつたちを守ろうとする人々の行動は、日本のみならず世界のあらゆる地域において、見られるようになりました。

これは世界中で “どうぶつの命”に対する価値観が変化し「飼い主がどうぶつの命を自分の命と同等、あるいはそれ以上に大切なものと考え、命をかけて守るのは当たり前のこと」と受け入れられるようになったからではないでしょうか。

しかし、避難所の整備や避難所までの移動手段など、まだまだ課題は残されています。その課題を一つ一つ解決し、「どうぶつがいるから」と悩むことなく飼い主さんが災害から避難できるよう、アニコムでも一歩一歩取り組んでまいります。

公開日:2022.10.28