概要
Overview蛋白漏出性腸症(たんぱくろうしゅつせい ちょうしょう)とは、腸管内部から多量の蛋白が漏れ出てしまうことによって、血液中のタンパク質が少なくなる低たんぱく血症となる病気です。原因も様々で、性別や年齢を問わず発症します。
※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。
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原因
腸のリンパ腫や腸リンパ管拡張症、リンパ球性?形質細胞性腸炎などの慢性の炎症性腸疾患が原因となり、腸粘膜からタンパクが喪失してしまうため、低蛋白血症が起こり、そのためにさまざまな症状がみられます。
症状
症状として慢性的な下痢が見られることが多いですが、見られないこともあります。その他栄養が十分吸収されないため、体重減少や元気消失、嘔吐、脱水がみられます。また、低蛋白血症のために血液中に水分を保持する力が低下し、浮腫や腹水の症状が起こります。
治療
原因に応じた治療を行います。慢性の炎症性腸疾患がある場合には消炎剤などの投与を行い、腸リンパ腫などが原因の場合は抗がん剤の投与などを行います。併せて、脱水や嘔吐、下痢などの症状に対する対処療法を行ないます。腸に負担の少ない処方食を用いた食餌療法を同時に行なうこともあります。また、近年、再生医療、細胞治療の研究がさかんになされており、病院によっては有効な治療方法の一つとして実用化されています。
予防
発症を予防することは難しいため、上記の症状が現れたり、下痢が続いているときなどには、早めに動物病院での診察を受けましょう。
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ポメラニアン13歳・オス・去勢済
リンパ管拡張性慢性腸炎で低脂肪食に切り替えたところ下痢嘔吐の症状は落ち着きましたが、腎臓の数値が悪化しました。もともと尿石症でロイヤルカナンのユリナリーS/Oを食べていたのでそちらに戻すようにとなりましたが、下痢嘔吐の再発を心配しています。
尿石症の療法食で低脂肪のものをご存じでしたら教えて下さい。
腎臓の数値(BUN、Creaなど)が悪化している子に対してタンパク質制限がなく、塩分が多めの尿石症の療法食を与えるのは、腎臓に負担がかかる可能性があります。また、療法食は薬のようにわんちゃんの治療に大きく影響するもののため、選択を誤ると病状を悪化させる危険性があります。そのため、腎臓、尿石、腸疾患のどれを優先して療法食を選択するべきかは、主治医の先生にご相談をお願いいたします。
タンパク漏出性腸症の場合、ステロイドのみではアルブミンの数値が十分改善しないこともあります。その場合、他の免疫抑制剤を併用したり食事療法を実施したりする場合もあります。今後の治療の方針については、かかりつけの先生ともよくご相談くださいね。