蛋白漏出性腸症 <犬>

概要

Overview

蛋白漏出性腸症(たんぱくろうしゅつせい ちょうしょう)とは、腸管内部から多量の蛋白が漏れ出てしまうことによって、血液中のタンパク質が少なくなる低たんぱく血症となる病気です。原因も様々で、性別や年齢を問わず発症します。

タンパク喪失性(漏出)腸症

※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。

お近くの動物病院をお探しの方はこちらアニコム損保動物病院検索サイト

原因

腸のリンパ腫や腸リンパ管拡張症、リンパ球性?形質細胞性腸炎などの慢性の炎症性腸疾患が原因となり、腸粘膜からタンパクが喪失してしまうため、低蛋白血症が起こり、そのためにさまざまな症状がみられます。

症状

症状として慢性的な下痢が見られることが多いですが、見られないこともあります。その他栄養が十分吸収されないため、体重減少や元気消失、嘔吐、脱水がみられます。また、低蛋白血症のために血液中に水分を保持する力が低下し、浮腫や腹水の症状が起こります。

治療

原因に応じた治療を行います。慢性の炎症性腸疾患がある場合には消炎剤などの投与を行い、腸リンパ腫などが原因の場合は抗がん剤の投与などを行います。併せて、脱水や嘔吐、下痢などの症状に対する対処療法を行ないます。腸に負担の少ない処方食を用いた食餌療法を同時に行なうこともあります。また、近年、再生医療、細胞治療の研究がさかんになされており、病院によっては有効な治療方法の一つとして実用化されています。

予防

発症を予防することは難しいため、上記の症状が現れたり、下痢が続いているときなどには、早めに動物病院での診察を受けましょう。

病気のデータ

Disease data

病気のかかりやすさ(%)

平均年間通院回数
通院1回あたりの平均単価
他の動物種のデータを見る

病気のデータ

他の動物種のデータを見る

みなさんからのコメント

Comment
ラヴィmama
2024-04-10 18:59:15
10才プードルです。2023/8月よりタンパク質脂漏性腸炎と診断されプレドニン、炎症剤、ウルソで治療を続けています。アルブミン数値が2.2以上を2、3週間キープし次の診察でもキープ出来ていればプレドニンの量を減らして量が決まると言われながら既に4クールしていますが、ここ3週間プレドニンの量をmax量飲んでいるのに2.0程にしか上がりません。薬を継続しながらも病状が悪くなって来る事がありますか?
アニコム獣医師
2024-04-15 10:21:48
>ラヴィmama様
タンパク漏出性腸症の場合、ステロイドのみではアルブミンの数値が十分改善しないこともあります。その場合、他の免疫抑制剤を併用したり食事療法を実施したりする場合もあります。今後の治療の方針については、かかりつけの先生ともよくご相談くださいね。
ラヴィmama
2024-04-16 07:41:27
お返事ありがとうございます。
免疫抑制剤とは自分を攻撃する免疫のみを抑制する薬ですか?
人も病気に対抗する為に免疫アップするといいと言いますが、この病気の場合、通常の免疫をアップさせる行為はNGなのでしょうか?
教えて下さい。よろしくお願いします。
アニコム獣医師
2024-04-19 11:53:19
>ラヴィmama様
免疫抑制剤は体内で起こっている過剰な免疫反応を抑えるために使われますが、全身性に作用するため免疫力が下がり、感染症に罹患しやすい状態になります。そのため治療中は生活環境を清潔に保つなどの感染対策が大切です。免疫力を高める行為については、具体的な行為の内容やわんちゃんの体調、現在の治療内容などによっても判断が変わります。実施される際はかかりつけの先生にご相談ください。
ラヴィmama
2024-04-23 19:04:10
ご返答ありがとうございます。4日前から免疫制御剤のアトピカ10mgが追加になり本日血液検査しましたが1.8に下がっていました。アトピカは効くまで2週間ぐらいかかるとの事ですのでもう少し様子を見ますが、不安で仕方ないです。食事療法は8月よりしています。これ以外には治療方法ないでしょうか?

コメントを書く

※20文字以内で入力してください
※200文字以内で入力してください
画像
最大3ファイル / 64 MB 制限 / 許可されたタイプ: png gif jpg jpeg

アニコム損害保険株式会社

アニコム損害保険は、ペット保険を通じて、飼い主様の涙を減らし笑顔を生み出す保険会社を目指しています。

保険金支払データの分析を通じ、どうぶつがケガをしない、 病気にならないための情報の提供など、予防促進に取り組んでまいります。