
災害への備えは大丈夫?
小動物の防災対策
2024.02.13
昨今はペットの防災対策や避難について考えられるようになりました。それでも避難所やボランティア支援の対象はまだ犬猫に限られるのが現状です。小動物の飼い主は、小さな命を守るためにしっかり防災対策をしておきましょう。
小動物の防災【1】
近隣の避難所を調べておく
災害時、避難所のペットへの対応は自治体によってさまざまで、同じ地域でも避難所によって異なります。もしペットと一緒に避難できても、犬猫が前提のことが多いものです。ペットは屋外で管理するケースもありますし、室内でもワンちゃん・ネコちゃんと同じ空間にいることになり、小動物には大きなストレスになる可能性も。近隣の避難所はどこか、ペット対応はどうなっているかあらかじめ確認をしておきましょう。避難所のペット対応は今後変わっていく可能性もあるので、定期的に確認するといいでしょう。
近隣の避難所に連れて行くのが難しい場合、自宅が安全であれば、自宅でお世話をすることも可能です。ライフラインが断たれて飼い主は避難所にいる場合、自宅と避難所の往復で二次災害にあわないよう、経路に危険がないかも事前によく確認してください。
自宅も避難所も難しい場合、車やテントで避難生活をする選択もあります。車中泊避難や屋外での避難について調べておき、飼い主側に必要な準備もしておきましょう。車中泊避難については、推奨している自治体と非推奨の自治体があるので、住んでいる地域がどのような対応になっているか確認を。
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小動物の防災【2】
遠方の預け先を見つけておく
小動物は繊細で温度管理も欠かせません。災害時は、被災していない地域に住む人に預けることが一番安全な場合もあります。少し遠方の親戚や友人に預けるという選択肢を用意しておきましょう。できれば預ける方にペットに会ってもらい、お世話や持病の情報を共有しておくと安心です。
小動物の防災【3】
防災用品の準備
小動物の防災で大切なことは、防災用品をしっかり備えることです。災害が起きると命に関わるごはんも、必要な飼育グッズも基本的に手に入らなくなります。フードや必要な飼育用品もすぐ持ち出せる防災セットにして用意しておきましょう。
【小動物の防災用品】
・ごはん、水
小動物の専用フードは災害が起きると入手困難になります。食べ慣れたいつものフードや牧草などを、未開封の袋で用意しておきます。ペットのごはん、水の備蓄は一般に5~7日分といわれますが、小動物のフードは救援物資として届くことは期待できません。2週間分など、多めに用意しましょう。
・ごはんと水の器
使い慣れているものと同じタイプを用意しておきます。
・ケージとケージ用のバッグやカバー
ケージは避難用に最低限の大きさのものを用意します。ケージがわりに使えるペットキャリーでも。いつもの飼育ケージでそのまま避難できる場合でも、ケージカバーをするか、バッグに入れるようにしましょう。飼い主の緊急連絡先やペットの名前、年齢、持病などを書いたタグをつけておくとより安心です。
・床材
ふだんと同じものが理想ですが、避難用のケージにあわせて最適なものを用意しましょう。
・トイレや衛生用品
トイレの砂のほか、砂浴び用の砂など、日常的に必要なものがある場合は準備を。
・タオルとクリップ
ケージの目隠しになるほか、タオルは保定が必要なときや、避難中にケージの中で動いてケガをするのを防ぐことに役立ちます。
・掃除用品
ペット用ウエットティッシュ、ビニール手袋、ゴミ袋など、ケージの中を衛生的に保つために必要なものをそろえておきます。
・寝床
フェレットならハンモック、モモンガなら寝袋、ハムスターならハウスなど、必要な寝床もセットしておきます。
・暑さ、寒さ対策グッズ
カイロやひんやりマットなど、停電しても使える暑さ・寒さ対策グッズを準備します。
・おやつ、ストレスを解消するおもちゃ
ストレスを溜め込まないよう、好きなおやつや、お気に入りのおもちゃも用意しておきましょう。
・キッチンスケール
いつもの分量を量れるように、キッチンスケールなど与える量の目安が分かるものを準備します。
・普段飲んでいる薬
常備薬があれば、日頃から余裕を持って早めに処方してもらうことを習慣にしましょう。
・写真(アップ、全身、家族と映っているもの)
災害時は何が起こるかわかりません。パニックになったペットが逃げ出す可能性もあれば、ケージごとはぐれてしまうことも考えられます。もし保護された場合に、写真があればスムーズに飼い主と証明できます。逆に捜索を依頼する場合も、写真があれば特徴を的確に伝えることができます。
・防災手帳
ペット自身や飼い主の情報を記入しておきましょう。
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防災用品はまとめて緊急時に持ち出しやすい場所に、飼い主用と一緒に置いておきます。
また飼い主の荷物と合わせて、持ち運びがスムーズにできるか、あらかじめ確認をしてください。飼い主の荷物はリュック、ペットの防災用品は肩掛けなど、持ち方も考えておきます。
定期的に中身を確認して、ごはんやおやつは新しいものと交換を。写真や記入しておく情報も適宜新しいものに変えてください。
小動物の防災【4】
可能性がある災害に備えて飼育環境をチェック
防災マップなどで地震のほかにどんな災害の可能性があるのか、確認しておきましょう。それを踏まえて、飼育環境が安全かチェックします。
地震対策として、落下を防ぐためにケージはなるべく床に置きましょう。どうしても棚やラックに置く場合は、家具の転倒防止対策をしたうえで、滑り止めマットのうえに置くなどして予防します。室内の背の高い家具も転倒防止対策を。積み重ねた家具は上下を固定します。窓ガラスには飛散防止フィルムを貼っておきましょう。
小動物の防災【5】
ペット自身への備え
ペット自身への備えとして、避難用ケージやキャリーに日頃から慣れてもらうようにしましょう。入ったらおやつをあげるなどして「楽しい場所」というイメージを作ることも大切です。必要な場合はハーネス・リードにも慣らしておきます。家族以外のほかの人にもなるべく慣れてもらうといいでしょう。
ペットの管理に飼い主が責任を持つことは、災害時でも変わりません。上で紹介したことは、ぜひ準備してください。とはいえ、飼い主自身も大変な状況になる被災下で、すべてひとりで抱え込もうとするのはやめましょう。同じ種類のペットを飼う人のコミュニティに参加しておくと、非常時に頼れるネットワークになるかもしれません。また近所の人に飼っているペットのことを話しておくなどして、いざというときに協力しあえる関係性を築いておくことも、防災のひとつです。
防災用品を用意して終わるのではなく、いろいろな視点から災害に備えてできることを考えてみてください。
公開日:2024.2.14