概要
Overview腎盂、尿管、膀胱、尿道等の尿路粘膜にできる悪性の移行上皮癌のうち、膀胱にできる腫瘍を指します。犬の膀胱腫瘍の発生率は、腫瘍全体の2%に満たないとされていますが、そのほとんどが膀胱移行上皮癌です。スコッチ・テリア、ビーグル、シェットランド・シープドッグ等が好発犬種とされ、老齢、また女の子の発生リスクが高い傾向にあることが知られています。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。
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原因
原因は不明とされていますが、殺虫剤や除草剤等のある種の薬剤にさらされることと発生リスクとの関連性が示唆されています。また、慢性的な膀胱炎が引き金になっている可能性も否定できません。
症状
腫瘍の発生部位によって、血尿、排尿困難や頻尿等の膀胱炎に似た症状がみられます。まれではありますが、骨への転移による跛行がみられることがあります。
治療
早期に発見した場合には手術により腫瘍を切除しますが、腫瘍の発生部位や進行状況により腫瘍を完全に切除することが困難である場合には、症状の緩和のための内科的治療を行います。一般的に予後は悪く生存期間が短いことが知られていますが、適切な治療により生活の質を保つことも可能です。
予防
発症を予防することは難しいですが、早期発見による早期治療が重要となります。日頃から犬の尿の回数や排泄時の仕草、色をこまめにチェックして、気になる点があったら、早めに動物病院さんにご相談しましょう。定期的な尿検査も早期発見に役立ちます。
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3ヵ月程前から血尿があり検査したところ、膀胱に2cmの腫瘍が見つかりました。カテーテル吸引の病理検査で、移行上皮がんの疑いが強いと言われましたが、BRAF遺伝子検査は陰性でした。あくまで疑いで確定診断ではないのですが、はっきりと調べる方法はないのでしょうか?とても元気なので逆に見ていて辛いです。
腫瘍の種類を確定するには、腫瘍を摘出し、組織の全体または一部を病理検査を行う必要があります。また、カテーテル検査では採取した一部の細胞しか確認出来ないため、病理検査の確定診断が得られないこともありますし、BRAF遺伝子検査で変異が検出されないタイプの腫瘍もあります。なお、腫瘍の摘出手術は全身麻酔下で行うため、今後の治療の進め方についてはかかかりつけの先生とご相談お願いします。
治療法の決定にあたっては、期待できる効果も重要ですが、それぞれの治療において予想されるデメリットや起こりうる合併症、その後の自宅管理についてまで考えておくことも重要です。たとえば、膀胱全摘出術を実施した場合、その後は尿を貯めることができず常にオムツが必要な生活となります。そのため、不安な点についてドクターと十分に相談する、ということも大切なポイントです。
遺伝子検査の結果、癌の可能性は低いとのことで安堵しています。病理検査はしていません。尿精密検査で、細菌も見られないとのこと。
9月のエコー検査では、8月より腫瘍が小さくなっていました(エコーの角度によるかもしれないですが…)。飼い主としてはこのまま温存でもいいのかと思いつつ、腫瘍をとった方が安心なのかと思いつつ悩ましいところです。