概要
Overview愛猫が足を引きずっている、高いところに登ろうとしない、後ろ足のかかとが地面についているなど、歩き方がいつもと違っていたら心配になりますよね。その他にも、肉球の色がいつもと違う、歩幅が違う、急に歩かないなどの変化があったら、どうしたらいいのでしょうか。「歩き方がいつもと違う」場合に、それぞれ考えられる病気と検査、診断までの流れについてわかりやすく解説します。さらに、これらを予防するためにできることをご紹介します。
【「歩き方がいつもと違うとき」の症状フローチャート】

「症状フローチャート」では、動物病院に行った際、どのような検査をして診断を受けるかが一目でわかります。
わが子のいつもと異なる行動や状態に気づいたら、「主訴」から順に症状をたどってみてください。ごく軽度の場合はご自宅で様子を見ることもできますが、状態がひどかったり、軽度でも数日続くようなら動物病院での受診をお勧めします。
※「症状フローチャート」は、一般的な獣医療における診断を図式化しています。
フローチャートからもわかるように、歩き方がいつもと違う症状には、実は心筋症といった病気が潜んでいる可能性もあります。心筋症とは、心臓を構成する筋肉、心筋に異常を生じることで起きる病気で、血栓ができ、後ろ足の血管に詰まることで足が麻痺してしまうこともあります。
それぞれの病気についてはこちらから
歩き方がいつもと違うときの症状
足を引きずったり、高いところに登ろうとしなくなったり、猫の歩き方がいつもと違うときがあります。それぞれの場合までを写真やイラストでわかりやすく解説します。
▼跛行(はこう):足先は地面についているが少し浮かせている

▼挙上(きょじょう):足先が完全に地面から離れている

▼蹠行(しょこう):後ろ足のかかとが地面についている

※糖尿病によって併発する神経の異常からみられます。
予防するためにできること
そもそも歩き方のトラブルを起こさないためにはどうしたらいいでしょうか? 家の環境作りや抱っこの仕方など、ちょっとした工夫が予防につながります。
■家の環境作り
①隙間などをふさぐ
猫は狭いところや隙間を好む習性があります。そういったところに入ってしまうと抜け出すときに骨格に負担がかかり、ケガの原因になりかねません。特に高くて狭い場所は、抜け出した際に体勢を崩して落下してしまう可能性もあるので、あらかじめ、そのような場所に猫が行かないようにしましょう。
②目の届かない場所をつくらない
上述したように、猫は隠れられるような場所が大好き。だからといって、隠れる場所が多すぎると、愛猫のいつもの動きが把握しづらくなります。猫の生活エリアは、できるだけ物をスッキリさせるようにしましょう。
■抱っこは正しく
基本的に猫は高いところから飛び降りても、自分で体勢を整え地面に着地しますが、抱っこ中に腕の中から落とさないよう無理に固定すると、飛び降りるときの体勢が崩れてしまうことがあります。そうならないように、嫌がるときはそもそも無理に抱っこをしないようにしましょう。もし、抱っこの最中に猫が降りたそうにしたら、降りても問題ないくらいの高さにしゃがんでから、降ろしましょう。また、動物病院へ行くなど、移動の際はキャリーケースなどを使うようにしましょう。
■歩き方のチェック
猫は犬と違い、痛みを隠します。でもよく観察すると、負傷した足をかばっていたり、キャットタワーに登る回数が減ったりと、いつもと違う行動が見えてきます。特に痛がる様子がなくても、普段できていたことができなくなった場合には痛みが隠れていることがあります。異常行動にすぐに気付けるよう、普段からよく観察しましょう。
飼い主さん自身も正しい知識を
それぞれの状態によって、検査や治療法も異なります。日頃から愛猫の歩き方をチェックして、些細な変化に早めに気付いてあげられるようにしましょう。変化が見られた場合には。適切な検査を行い、原因をしっかりとつきとめて治療にあたることが重要です。
わが子のことを誰よりも分かっている飼い主の皆さまが、発症予防・早期発見を心がけることこそが、わが子を病気から守る第一歩です。
そして動物病院に行く際には、こうした診療の流れを飼い主様自身が知っておくことで、病院の先生とわが子との「三人四脚」で最適な治療を選ぶ一助になれば幸いです。
※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。
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