幸せなシニア世代のために(2) お散歩と食事編 <犬>

散歩

日光を浴びることは、カルシウムの生産や体内時計を整えるためにも、たいへん重要です。筋肉の老化予防や肥満防止のためにも、お散歩はわが子のペースにあわせて続けましょう。体への負担を減らす配慮も大切なので、気温や風、雨などの天候も考慮して、なるべく心地よいお散歩環境を整えてあげましょう。お散歩中は、こまめな水分補給が大切ですが、体を冷やしすぎないように、冬場はぬるま湯を用いるのもいいですね。


人も、外の匂いや太陽の陽射しを浴びると、背伸びをしたくなりますね。これはシニアのどうぶつたちも同じなので、出来ること、楽しむことを見つけてあげましょう。

お散歩に行く際、愛犬が、立ち上がることが大変そうな場合には、床が滑らないような敷物を敷いたり、飼い主さんが声をかけて安心感を与えながら、腰を持ち上げるようにして介助してあげるのもおすすめです。

愛犬の目が見えづらくて不安そうなときも、飼い主さんは明るい声で誘導して安心させてあげましょう。情報のほとんどを視覚に頼っている人間とは違い、犬は聴覚、嗅覚など視覚以外から取り入れる情報がたいへん多いので、たとえ視力を失っても、私たちが思うよりずっと不自由なく過ごせると言われています。


足や腰に痛みがあるときには、足腰に負担がかかる階段や急な段差があるコースは避けて、なるべく負担のない道を選んでくださいね。
お散歩後の様子を観察して、ぐったりしている場合には、運動量を減らし、気持ちよさそうにウトウト眠るくらいの散歩量に調節してあげましょう。

 

食事

どうぶつは、安静にしていても、生きていくために、筋肉を動かし、内臓を機能させ、排泄をするなどにエネルギーを要します。これを基礎代謝量といいますが、基礎代謝量は加齢とともに減少します。シニア期に入ると、一日に必要とするエネルギー量は、若い頃に比べて約20%減少するといわれています。体の変化に合わせた食事内容、食事量やカロリーを調節してあげましょう。

基礎代謝量が減ることに加え、体を動かすのが億劫になって運動量が減ると、肥満につながりやすくなります。肥満は関節等に負担をかけ、快適な生活の妨げになりますし、糖尿病、高血圧、脂肪肝などの病気を引き起こす素因になるので、注意が必要です。

シニア用のフードは、脂肪分を抑え、良質のタンパク質が含まれていることが一般的です。
これは、高脂肪分が消化しづらく、消化機能が低下しているシニアの犬には負担が大きいためです。とはいえ、適量の良質な脂肪の摂取はたいへん重要です。脂肪は効率が良いエネルギー源でもあり、必須脂肪酸は細胞膜を構成し、健康な皮膚や被毛の維持にも欠かせません。ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKといった脂溶性ビタミンを運搬するのも脂肪なので、上手く味方につけましょう。

不飽和脂肪酸の一つであるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は脳細胞を活性化すると考えられています。きのこ類に含まれているβ−グルカンは免疫力を活性化する働きがあるとされ、関節の健康維持のためにはコンドロイチン、グルコサミンが役立つと考えられています。

高齢になっても、タンパク質の要求量は変わらないとされ、筋肉量の維持のためにも、消化の良い適量のタンパク質が必要といわれています。また、良質のタンパク質を与えることは筋肉量の維持に必要なだけでなく、免疫力を付けることにもつながります。
繊維質の適切な接種は便秘予防になり、同じ量を食べたときに満足感を感じられます。


シニア用のペットフードは、抗酸化作用を持つビタミンEやビタミンC、ベータカロチン、セレンなどが強化されていたり、脂肪分やタンパク質の代謝を助けるビタミンB群が含まれるなど、それぞれの商品によりいろいろな工夫がされています。
主治医にアドバイスを求めるなどして、愛犬にピッタリなフードを選びたいですね。

フードや給餌量などを変える際は、必ず徐々に移行しましょう。ウンチの状態をみながら、新しいフードの割合を少しずつ増やしていきます。食欲がないときには、ドライフードにぬるま湯をかけて温かくしたり、肉や魚のゆで汁をかけるなどして食欲を刺激するのもおすすめです。なお、熱湯はフードの栄養を壊す恐れがあるので、冷ましてから利用してくださいね。
また、食べないときに声をかけると、「食べないことを褒められた」と勘違いすることがあります。食べたときに褒めることで、「食べるのは楽しい!」と思わせてあげましょう。
加齢に伴い、消化能力も落ちる傾向にありますので、一回の食事量を減らして回数を増やすこともよい方法です。
その他、腸内フローラの改善も注目されています。ヨーグルト、オリゴ糖、食物繊維などを与えることで善玉菌の増加が期待できるといわれています。


犬は食事の際、下を向いて食べますが、首に痛みがある場合など、食べるのが大変なこともあるかもしれません。そのような場合には、食事台を用意したり、食器を持ち上げてサポートしてあげると良いでしょう。
また、寝たきりの場合などは、食事が喉に詰まることを防ぐために、フセの状態で与えたり、飼い主さんの膝を利用して上体を支えたり、クッションなどを用いるのもよいですね。

加齢に伴い、喉の渇きに鈍感になるのは人も犬も同じなので、常に新鮮な水を用意しておきましょう。
なお、多飲多尿などの症状で気付く病気もあります。
内分泌疾患や糖尿病、腎臓病などが挙げられますが、飲水量や尿量が多い・増えたように感じる場合には、動物病院へ相談してみましょう。
できれば飲水量と尿量を量っておき、受診の際に伝えられると診察の助けになります。
 

 

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