ワクチンって何?
ワクチンは、病原体を無毒化または弱毒化したものを接種し、抗体(感染症という敵に対して防御する体の働き)を作り、感染症に対する免疫力をつけることで、予防や、感染した場合にも軽症で済むことを期待するものです。
なお、接種後、免疫ができるまでには2週間前後かかります。
混合ワクチンの中でも、特に、犬ジステンパー、犬パルボウイルス感染症、犬伝染性肝炎のワクチンは「コアワクチン」と呼ばれ、重要度が高く、予防の核になると考えられています。
接種するワクチンは、犬の健康状態や体質、お住まいの地域性などのさまざまな点を考慮した上で選択されます。
感染症の予防には、定期的なワクチン接種が非常に重要です。
接種時期について
生まれたばかりの子犬は、生後まもなく飲む母乳(初乳)中に含まれる、母犬からの免疫(移行抗体)により、さまざまな病気から守られています。しかし、この移行抗体は生後数ヶ月で消失するといわれています(消失時期には個体差があります)。
そのため、子犬にワクチン接種を行い、新しい免疫力をつける必要がありますが、接種時に移行抗体が残っていると、ワクチンの効果が十分に期待できません。十分な効果を得るためには、母犬からの移行抗体が消失する時期に接種する必要がありますが、消失時期は個体差が大きいため、初年度のワクチン接種は複数回行うことが一般的です。
また、翌年以降も、継続的なワクチンの追加接種により免疫を維持できることが知られています。
ワクチン接種の時期は、犬の健康状態や体質などが大きく関係するため、事前に動物病院で相談しましょう。
ワクチン接種時、接種後の注意点
・原則、健康状態が良好な時に接種を行うため、病気や投薬中等の場合は、事前にかかりつけの先生に相談してください。
・接種後、副反応※が出る場合があります。副反応は、接種後 24 時間以内に現れることが多いので、特に注意深く様子をみてあげましょう。
・接種後は犬を興奮させたり、激しい運動をするのを避けてください。接種後 1 週間ほどはシャンプーをしないようにしましょう。接種後の様子をよく見られるよう、飼い主に時間的余裕がある日の接種が推奨されます。
・接種後、異常が見られた場合は、早急に接種した動物病院に相談してください。
※副反応の主な症状
顔面の腫脹、皮膚のかゆみ、じんましん、嘔吐、下痢、発熱、元気消失、呼吸困難、虚脱等
特に、急激なワクチンの副反応として、アナフィラキシーショックが知られています。
即時型アレルギー反応によって重篤な症状を起こした状態で、体内に抗原物質が取りこまれてから数分~数十分以内にじんましんや呼吸困難、チアノーゼ、嘔吐、血液低下などがみられ、ショック状態に陥ることもあります。命にかかわるケースもあるため、早急に動物病院に診てもらいましょう。
※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。
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その注射後30分経過し顔の腫れもおさまり今は眠っています。今後注意してみておく事ってありますか?
ワクチンにより、急性の症状(アナフィラキシー)が出る場合、多くは、接種後1時間以内に発症すると言われております。アレルギーを抑える注射をした後、症状が収まってきているようであれば、このまま落ち着いていくことが多いと考えます。ただ、呼吸器などの見えない部分にも症状が出ている可能性もあるので、呼吸回数や舌の色をよく観察し、気になる点があれば、すぐに獣医師にご相談ください。
この場合どうしたら良いでしょうか?
ワクチン接種部位の違和感や痛みだけでなく、いつもと違った状況が怖かった等の可能性も考えられます。1~2日食欲や排せつの様子を見ていただき、改善が見られない、下痢や嘔吐といった別の症状がみられる場合は、ワクチン接種を受けた病院を受診されることをお勧めします。