概要
Overview犬の肛門の左右には、肛門嚢(腺)という分泌物を貯める袋が一対あります。肛門嚢アポクリン腺癌は、この肛門嚢内のアポクリン腺から発生する腫瘍です。比較的高齢の女の子に多くみられ、悪性で転移しやすい腫瘍の一つです。
※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。
お近くの動物病院をお探しの方はこちらアニコム損保動物病院検索サイト
原因
発生の原因ははっきりとわかっていません。避妊済みの犬で発生が多いとの報告もありますが、性ホルモンとの明確な関連性は分かっていません。
症状
腫瘍が放出するホルモン様物質の影響で高カルシウム血症を起こすことがあります。これに伴い、食欲不振、体重減少、嘔吐、多飲多尿の症状がみられます。腰骨下リンパ節への転移が認められることがありますが、他の臓器への転移は、まれです。
治療
高カルシウム血症がある場合には、二次的に神経筋系、胃腸系、腎臓系および心臓系に障害が生じることがあるので、その症状の緩和のための治療を行います。腫瘍の外科的切除が有効ですが、加えて化学療法や放射線療法なども選択肢として挙げられます。
予防
発症原因がはっきりわからないため、発症自体を予防することは困難です。しかしながら、早期発見による早期治療が重要となりますので、定期的に検診を行いましょう。
他の動物種のデータを見る
- 犬全体
- 大型犬
- 中型犬
- 小型犬
- アイリッシュ・ウルフハウンドってどんな犬種?特徴は?飼いやすい?
- アイリッシュ・セター
- 秋田犬
- アフガン・ハウンド
- アメリカン・コッカー・スパニエルってどんな犬種?気を付けたい病気は?
- アラスカン・マラミュートってどんな犬?気を付けたい病気はある?
- イタリアン・グレーハウンド
- イングリッシュ・コッカー・スパニエルってどんな犬種?なりやすい病気は?
- イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
- イングリッシュ・セター
- イングリッシュ・ポインター
- ウィペットってどんな犬種?気を付けたい病気はある?
- ウェルシュ・コーギー・カーディガン
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- ウェルシュ・テリア
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- エアデール・テリア
- オーストラリアン・シェパードってどんな犬種なの?特徴や気を付けるべき病気は?
- オールド・イングリッシュ・シープドッグ
- 甲斐犬
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルってどんな犬種?気を付けたい病気を解説!
- グレート・デーン
- グレート・ピレニーズってどんな犬種?気を付けたい病気は?
- ケアーン・テリア
- コリー
- コーイケルホンディエ
- ゴールデン・レトリーバー
- サモエド
- サルーキってどんな犬種?気を付けたい病気はある?
- シェットランド・シープドッグ
- 柴犬
- シベリアンハスキー
- シーリハム・テリア
- シー・ズー
- ジャック・ラッセル・テリア
- ジャーマン・シェパード・ドッグってどんな犬種?気を付けたい病気は?
- スキッパーキ
- スコティッシュ・テリア
- スタッフォードシャー・ブル・テリア
- セント・バーナード
- ダックスフンド(カニーンヘン)
- ダックスフンド(スタンダード)
- ダックスフンド(ミニチュア)
- ダルメシアン
- チベタン・スパニエル
- チャイニーズ・クレステッド・ドッグ
- チャウ・チャウ
- チワワ
- 狆(ジャパニーズ・チン)
- トイ・マンチェスター・テリア
- ドーベルマン
- 日本スピッツ
- 日本テリア
- ニューファンドランドってどんな犬種?気を付けたい病気は?
- ノーフォーク・テリア
- ノーリッチ・テリア
- バセット・ハウンドってどんな犬種?太りやすいって本当?
- バセンジー
- バーニーズ・マウンテン・ドッグってどんな犬種?気を付けたい病気を解説!
- パグ
- パピヨン
- ビアデッド・コリー
- ビション・フリーゼ
- ビーグル
- 外で遊ぶのが大好き!フラットコーテッド・レトリーバーってどんな犬種?
- フレンチ・ブルドッグ
- ブリタニー・スパニエル
- ブリュッセル・グリフォン
- ブルドッグ
- ブル・テリア
- プチ・バセット・グリフォン・バンデーン
- プードル(スタンダード)
- プードル(トイ)
- プードル(ミディアム)
- プードル(ミニチュア)
- プーリー
- ベドリントン・テリア
- ベルジアン・シェパード・ドッグ(タービュレン)
- ペキニーズ
- 北海道犬
- ボクサー
- ボストン・テリア
- ロシアが誇る美しい狩猟犬、ボルゾイについて|気を付けたい病気を解説!
- ボロニーズ
- ボーダー・コリー
- ポメラニアン
- ポリッシュ・ローランド・シープドッグ
- マルチーズ
- ミニチュア・シュナウザー
- ミニチュア・ピンシャーってどんな犬種?気を付けたい病気を解説!
- ヨークシャー・テリア
- ラサ・アプソ
- ラブラドール・レトリーバー
- レオンベルガーってどんな犬?気を付けたい病気はある?
- レークランド・テリア
- ロットワイラー
- ワイアー・フォックス・テリア
- ワイマラナーってどんな犬種?気を付けたい病気は?
1年前に肛門腺癌と診断され転移がなかった為、局部切除手術、術後経過観察、定期受診をし去年の秋、もう受診しなくても良いと言われました。
今年の4月の血液検査も問題なく、元気でした。
先週から食欲不信がつづき受診したところ、既に肝臓、膵臓、脾臓、リンパに転移があり緩和ケアになりました。ステロイドのみ投与になりましたが、余命はどのくらいなのでしょうか…
癌がリンパ節等に転移した場合の余命ですが、転移した臓器がどのくらい腫瘍に侵襲度合いや、血液検査の数値により、期間は全く異なります。また、ステロイドに良好な反応が見られる場合や、その他の補助療法により、最初に考えられた余命より長くなることもあります。一般的に数週間から数か月とも言われますが、治療内容や状況にもよりますので、一度かかりつけの先生に聞いていただくことをお勧めします。
肛門嚢アポクリン腺癌の場合、なるべく早期に治療を開始することが望ましいと考えられます。病理検査やその他血液検査などの結果、転移の有無などから状況を把握し、病状に合った治療方法を選択します。病院の先生とも良くご相談のうえ、治療方針を早い段階で定めるのが良いでしょう。