再生不良性貧血 (AA)<犬>

概要

Overview

再生不良性貧血は、血液中の白血球、赤血球、血小板のすべてが減少する疾患です(この状態を汎血球減少といいます)。これらの血球は骨髄で作られるのですが、再生不良性貧血では骨髄の低形成や脂肪髄(骨髄が脂肪に置き換わってしまっている状態)が特徴として認められます。人でも認められる血液の病気です。
再生不良性貧血は先天性と後天性に分けられ、後天性はさらに特発性と続発性に分類されます。

 

再生不良貧血の診療フローチャート

原因

犬の特発性の再生不良性貧血はまれで、原因は詳しくは分かっていませんが、人と同様に造血機能の異常の関与が考えられています。
二次性の場合には感染症や、精巣や卵巣の腫瘍によるホルモン分泌異常、腫瘍の治療のための薬剤や放射線治療により起こる場合もあります 。

症状

赤血球 減少により貧血となり、口の中の粘膜などが白っぽくみられることがあります。また、血小板減少により出血をしやすい傾向もあります。さらに白血球 の減少により感染症にかかりやすくなるため発熱などの症状が認められる場合もあります。

治療

感染症や腫瘍などが原因となり発症している場合、原因疾患の治療を行います。
腫瘍の治療のための薬剤や放射線治療が原因の場合は、腫瘍の治療の中断を検討します。
原因不明で発症している場合、対症療法となります。 
細菌の二次感染を防ぐために抗生剤、ステロイドなどの免疫抑制剤、造血因子の投与、全血輸血を行います。再生不良性貧血は一旦発症してしまうと完治が難しい病気ですので、長期間もしくは生涯の治療が必要となります。体に負担の少ない薬の量で長期間維持できるように、根気よく治療を続けることが大切です。

予防

原因不明で発症する再生不良性貧血は、予防の難しい病気です。 
精巣や卵巣の腫瘍を防ぐために、健康なうちに去勢・避妊手術を受けることが予防につながります。
二次感染予防のためにも、症状が現れたら早めに動物病院へ行き、治療を開始することが症状の悪化を予防することにつながります。

病気のデータ

Disease data

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平均年間通院回数
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