アセトアミノフェン中毒

概要

Overview

人のお薬に含まれるアセトアミノフェンを誤飲することによる中毒です。人では良く使われるお薬ですが、犬にとっては毒性が強く、貧血や肝障害を引き起こします。重度の場合には命にもかかわることがある怖い中毒です。

 

※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。

お近くの動物病院をお探しの方はこちらアニコム損保動物病院検索サイト

原因

人の解熱剤などで使用されるアセトアミノフェンを摂取することで発症します。アセトアミノフェンはヒトには有効な解熱鎮痛剤ですが、犬では薬を代謝する能力が低く、有害な中間代謝物が体内に蓄積しやすく中毒をを引き起こします。中毒成分によって肝臓が障害されたり、赤血球が傷つけられます。犬が誤食することのほか、人が病気の治療のために誤って与えってしまうことでも中毒になることがみられます。

犬の中毒を引き起こす用量は体重1kgあたり150mgといわれています。市販の総合感冒薬や解熱剤では、体重1kgあたり1-2錠で中毒を起こす要領になります。

症状

赤血球が傷つけられることで貧血が起こり、粘膜の色が白っぽくなるあるいは青くなる、呼吸が早くなるといった症状が見られます。そのほかに、嘔吐、食欲不振、元気消失、浮腫などの症状が見られ、重度になると昏睡することもあります。

治療

摂取から4時間以内であれば活性炭などの吸着剤を飲ませることで体内への吸収を減らす治療をします。

中毒成分を減らす治療としてN-アセチルシステインを投与します。N-アセチルシステインは有害な中間代謝物を無害な物質に代謝することを助けてくれるお薬です。そのほかにビタミンC、肝保護剤などのお薬を投与して対症療法を行います。

予防

人のお薬は犬が届かないところに保管するようにしましょう。また、人の判断で誤って与えてしまうことがありますが、人とどうぶつは体のしくみが異なる部分があります。病気を治療する際は自己判断で行わず、必ず獣医師に相談して指示を守るようにしましょう。

病気のデータ

Disease data

病気のかかりやすさ(%)

平均年間通院回数
通院1回あたりの平均単価
他の動物種のデータを見る

病気のデータ

他の動物種のデータを見る

みなさんからのコメント

Comment
チョコ
2024-07-19 13:45:17
犬がいないあいだひとのかこなーるをたべてしまった
みかん
2024-03-26 21:30:07
3歳6キロの犬がポンタール250ml(炎症止め)を誤飲してしまいました。
2時間たちましたが今は元気そうです。
念のため水分を多めに取らせています。
すぐ病院に連れていくべきでしょうか?
アニコム獣医師
2024-03-29 10:01:15
>みかん様
犬が人の抗炎症薬を誤飲した場合、薬を代謝する能力が低いため、中毒症状を起こすことがあります。嘔吐や食欲不振、呼吸速迫やぐったりするなどの症状が見られることが多く、誤飲直後なら吐かせることができますが、30分も過ぎれば体内に吸収されてしまいます。今元気そうに見えても、後から症状が出ることもありますので、早期にかかりつけの先生にご相談いただくことをお勧めします。
M
2024-03-14 07:49:51
コンタックの中の粉末を舐めた場合どうしたらよいですか。
アニコム獣医師
2024-03-19 09:42:55
>M様
ヒトの解熱鎮痛剤アセトアミノフェンを舐めた場合、どうぶつさんは代謝する力が弱いため中毒を起こすことがあります。中毒を起こす量はどうぶつ種により異なり、個体差も大きいため、一概に舐めただけでどのくらいの症状が出るかはわかりかねます。元気消失や動きが緩慢になったり、嘔吐などの消化器症状が出ることがありますが、時間経過と共に悪化する場合もありますので、早期に動物病院への通院をお願いします。

コメントを書く

※20文字以内で入力してください
※200文字以内で入力してください
画像
最大3ファイル / 64 MB 制限 / 許可されたタイプ: png gif jpg jpeg

アニコム損害保険株式会社

アニコム損害保険は、ペット保険を通じて、飼い主様の涙を減らし笑顔を生み出す保険会社を目指しています。

保険金支払データの分析を通じ、どうぶつがケガをしない、 病気にならないための情報の提供など、予防促進に取り組んでまいります。