骨格
ワンちゃんの身体を支える骨は、ヒトの骨が200本あまりであるのに対して約320本もあります。
これはワンちゃんが4本足で歩行すること、また胴体が長いためにたくさんの背骨を持つためです。
ヒトの骨格と大きく違うところは、ヒトの身体の動きには欠かせない鎖骨が、ワンちゃんの場合は失われているか、あってもうっすらと残っている程度です。
このためにワンちゃんは狭い穴へも出入りできるのですが、ワンちゃんを抱っこするときには、ヒトの赤ちゃんにするような「高い、高い」をするような抱っこの仕方はしないように十分注意をしてあげましょう。
また、ワンちゃんの背骨は頭からしっぽまで一本の線となり繋がっていますので、しっぽを無理して引っ張ったりすることは決してしないようにしましょう。
ワンちゃんの歩き方
ヒトは足の裏全部を地面につけて歩きますが、ワンちゃんは足の指の部分だけを地面につけて歩きます。
ワンちゃんの視覚
ワンちゃんの視覚が完成するのは生後16週目くらいといわれています。
ワンちゃんの視覚は、焦点自体はぼやけているものの、動体視力は卓越しています。
また、ワンちゃんの色覚は赤色に関する色覚はほとんど発達しておらず、青色と緑色の組み合わせで視覚処理をしています。
ワンちゃんはもともと夜行性のどうぶつなので、人の3分の1の明るさでも物を見ることができますが、これはワンちゃんの網膜の裏側にある、鏡のように光を反射させるタペタムという組織層に負うところが多いようです。
またワンちゃんの視野は、ヒトが180度程度であるのに対し、240度から290度と広いのも特徴です。なお、サイト・ハウンドと呼ばれる視覚で獲物を捕らえるタイプの犬種やボーダーコリーのような牧羊犬は目が頭の横についている分、視野が広いのが特徴です。
ワンちゃんの聴力
ワンちゃんの聴覚は、ヒトの聴覚が20ヘルツ〜20,000ヘルツであるのに対し、個体差はありますが、概ね40〜65,000ヘルツくらいまで聞き取ることができるといわれています。ヒトとワンちゃんとでは、低い音に対する聴力はあまり変わりませんが、4,000ヘルツ以上の高い音を聞き取るワンちゃんの聴力はかなりのものです。
これは、野生の小さな動物が発する高い鳴き声を聞き取り、獲物の居場所を素早く察知するために発達したのではないかと考えられています。音が聞こえてくる方向も、ヒトは16方向なのに対し、ワンちゃんは32方向まで聞き分けられます。
ワンちゃんの嗅覚
また、もともと夜行性のワンちゃんは、匂いにより情報収集を行い、自らの行動を決断していきます。ワンちゃんの嗅覚は、ヒトが言葉を用いて他とコミュニケーションをとるように、ワンちゃん同士の重要なコミュニケーションツールでもあるのです。ワンちゃんはヒトの3,000倍〜10,000倍、脂肪酸などの匂いではヒトの100万倍もの嗅覚を持つと言われています。
味覚
ワンちゃんの味覚はヒトと似ており、甘味、塩味、苦味、酸味、旨味を感知できるとはいわれていますが、ワンちゃんの舌はヒトほど敏感ではありません。ワンちゃんが食欲を感じるのはまず匂いからです!その後に食感があり、次は味、見た目は最後です。
また、野生で生きていた名残なのか、今を逃したら次にいつ食べられるか分からないと思っているかのように、ワンちゃんはあればあるだけ食べてしまう傾向にありますので、肥満防止のためにも飼い主さんが食事の量を管理してあげることが重要となります。