猫への投薬について

 

治療、そして予防でも、との生活の中で「薬を与えること」は欠かせません。
「言葉が通じたら、薬が必要だということを理解してくれるのに」と、投薬を嫌がるを見て、胸を痛めた経験のある方も多いのではないのでしょうか。
への投薬は、以上に難しいと感じている飼い主さんは多いようです。

「好きなものに混ぜても薬だけ残してしまう」、「口の中に放りこんでも、すぐペッと吐き出してしまう」、「お薬が口の中で溶けて、苦くて泡ぶくになってしまった」などという話をよく耳にします。また、一度投薬に失敗して嫌な思いをしてしまうと、次からは暴れたり逃げたりして抵抗するようになり、投薬が難しくなってしまうということもにはよくみられます。

このようなですから、投薬するときには、なるべく気付かれないように、できるだけ素早く、さりげなく、飼い主さんにとってもにとっても、極力ストレスの少ない方法で行うようにしましょう。
「薬を嫌がるのでは・・・」という飼い主さんの先入観や緊張がに伝わってしまわないように、まずは飼い主である私たちが正しい投薬の知識を持ち、リラックスをして飲ませられると良いですね。

 

錠剤やカプセルの飲ませ方

【食べ物に包んで与える】
好みのウェットフード(猫缶)や食べ物、おやつなどに薬を隠して与えます。

<ポイント>
■噛んだときに薬の存在に気付いて、薬を出してしまわないように、がそのまま飲み込むことができるサイズにしましょう。
■食べ物の量が多過ぎると、食べ残した物の中に薬が残ることがあります。食べ物の量が適当になるように調節をしましょう。
■最初の一口を食べたときに「何か変!」という記憶が、の中に残ってしま
わないように、最初は薬を包んでいないものを与えてみます。「もっと、欲しい」という表情を見せたときに、お薬の入った方を与えると良いでしょう。
■普段、食事として与えているフードに混ぜてしまうと、薬の味を嫌がった場合にそのフード自体を食べなくなってしまことがあります。が主食として食べているものとは別の食材に混ぜたほうが良いでしょう。

【口を開けて薬を飲ませる】
の口を開けて薬を飲ませる方法もあります。口を開けられることを嫌がらない様に、日ごろから適度なスキンシップを楽しむようにしましょう。飲ませる直前にカプセルなどをさっと水にくぐらせておくと、飲み込みやすくなるのでお勧めです。

<方法>
1.利き手の親指と人さし指で薬を持ちます。反対の手での頭を上から持ち、上を向かせるようにすると、自然に口が開きやすくなります。利き手の中指を下顎の犬歯と犬歯の間に入れ口を開けます。
2.口の中に素早く薬を入れます。の舌はざらざらしていますので、手前の方に入れてしまうと、がすぐに薬を出してしまったり、泡ぶくになってしまうことがあります。人差し指で、なるべく奥の方に押し入れるようにすると上手くいきます。
3.すぐにの口を閉じて鼻先を上に向けましょう。飼い主さんはもう一方の手でノドをなで下ろして、嚥下(えんげ)を助けます。
4.薬が食道に残ることでおこる食道炎を予防するため、投薬後には必ずお水を飲ませましょう。飲ませる量は、「少なくとも6cc程度」と言われています。あらかじめシリンジやスポイトにお水を入れて用意しておいて飲ませるようにしても良いですね。

錠剤やカプセルの飲ませ方

【投薬を補助するための製品を使う】
お薬を飲むのが苦手な人間のお子さんや用にさまざまな投薬補助製品が販売されていますので、そのような製品を使っても良いでしょう。
日ごろからどの様な製品が、どこで販売されているかを調べておくと安心です。

【錠剤を砕いたりカプセルを開けて粉にしたりして、飲ませる】
どうしても錠剤やカプセルのままだと飲もうとしない場合には、錠剤を砕いたりカプセルを開けて薬を出したりして、食べ物などに混ぜる方法もあります。また、錠剤の味やにおいを隠すためにあえてカプセルに詰めて与えることでうまくいくこともあります。
(【粉薬・液剤の飲ませ方】をご参照ください。)

<ポイント>
■薬の種類によっては、砕いてしまうと苦くなってしまう場合(糖衣錠など)や、薬の効果や吸収に変化を与えてしまう場合があります。砕いたり、カプセルから出して与えたりしても問題がないかを、かかりつけの動物病院さんにご確認いただくと安心です。

 

粉薬・液剤の飲ませ方

【好きな食べ物に薬を混ぜて与える】
ウェットフードに混ぜ込んだり、好きな食べ物と一緒に与えたりしましょう。

<ポイント>
■普段、食事として与えているフードに混ぜてしまうと、味を嫌がった場合にそのフード自体を食べなくなってしまことがあります。主食として食べているものとは別の食材に混ぜたほうが良いでしょう。
■食べ物の量が多過ぎると、食べ残した中に薬が残ることがあります。食べ物の量が適当になるように調節をしましょう。

【スポイトや注射器を利用する】
粉薬は水で溶いて、スポイトや注射器を利用して飲ませましょう。あまり多量の水に溶かしてしまうと、すべてを飲ませるのが大変になってしまうこともあります。飲ませやすい程度の少量の水で溶かすようにしましょう。

<方法>
1.粉薬の場合は少量のぬるま湯などにお薬を溶かし、スポイトなどに吸わせておきます。
2.の頭を上から持ち、頭を少し上に向けます。
3.スポイトの先を犬歯の後側に滑り込ませ、口の端から薬剤を少量ずつ投与します。
4.鼻先を少しあげたまま口をしばらく閉じておき、飲み込むのを見届けます。

粉薬、液剤の飲ませ方

【粉薬をオブラートに包んだり、カプセルに詰めて与える】
粉薬を小さめのオブラートに包んだり、空のカプセルにつめたりして、錠剤の要領で与えます。水分を適量加えてお団子状にしたり、練り歯磨き状の硬さに練って、上あごに塗りつけたりしても良いでしょう。
※空のカプセルは、薬局やドラッグストアなどで手に入ります。

 

目薬のさし方

薬の容器がの眼に触れないように注意をしましょう。また、容器をの頭上や前方から近づけるとをびっくりさせてしまいます。なるべく視界に入らないように、目薬を後方から近づける、他のことで気をそらすなど、容器の近づけ方に注意をしましょう。

<ポイント>
■目の表面や周りが目ヤニなどで汚れているときは、湿らせたコットンで優しくふき取ったり、ぬるま湯を入れた洗瓶などを利用して洗い流したりして、きれいにしてから点眼しましょう。
■寒い時期の室温保存や冷蔵保存をしていた場合など、点眼薬が冷えてしまっている状態でに点眼すると、冷たさにびっくりしてしまったり刺激になってしまったりすることがあります。しばらく手で握って温めたりして人肌程度の温かさになってから点眼すると良いでしょう。

<方法>
1.片方の手で点眼薬を持ちます。もう一方の手でのあごを優しく支え、頭をやや後ろに傾けます。
2.の視野に薬が入らないようにするため、顔の後方から点眼薬を近づけます。
3.点眼薬を持つ手で、優しく瞼を持ち上げるようにしながら、上方から点眼します。薬の容器が眼に触れないように注意をしましょう。
4.目からあふれた点眼薬をコットンなどで拭きとってあげましょう。
点眼後、猫が気にして眼をこすらないように、少しの間様子を見ていると安心ですね。

目薬のさし方

 

点耳薬のさし方

薬剤を投与した後は、優しくマッサージをしながら褒めてあげましょう。

<ポイント>
■寒い時期の室温保存や冷蔵保存をしていた場合など、点耳薬が冷えてしまっている状態でに点眼すると、冷たさにびっくりしてしまったり刺激になってしまったりすることがあります。しばらく手で握って温めたりして人肌程度の温かさになってから点耳すると良いでしょう。

<方法>
1.一方の手で点耳薬を持ち、もう片方の手での耳介を持ちます。頭をなでたりしてリラックスさせながらするとよいでしょう。
2.の耳介を少しだけ上に引くようにしながら、耳道に点耳薬を滴下します。
3.薬を置いて、耳の底部の軟骨あたりを優しくマッサージします。

点耳薬のさし方

 

投薬に関してご注意いただきたい点

1.薬の種類によっては、一緒に投薬をしてはいけないものがあります。現在服用中の薬がある場合には注意が必要です。
特にかかりつけ以外の動物病院さんの診療を受けるときは、必ず申し出るようにしましょう。
2.病気によっては摂取する食材に注意を要する場合もあります。普段食べさせていない食べ物を薬に混ぜて与える場合には、かかりつけの動物病院さんに相談していただいた方がよろしいでしょう。
3.薬の種類によって、食前・食中・食後・食間など、投薬の時間を調節する必要があるものがあります。与える時間帯を誤ると、その薬自体の吸収が充分に期待出来ない場合や、他の薬の吸収に影響を与えしまう場合もあります。指定された投与の時間帯は必ず守るようにしましょう。
4.外用薬を塗ったことでかえってが患部を気にしてしまう場合もあります。なめたりして症状を悪化させる場合もあるため、塗った後は少しの間、問題がないかを見守るようにしましょう。薬を塗った後に食事を与えたり、一緒に遊んであげるなどして、の意識を別のことに向けさせても良いでしょう。
5.投薬に慣れていなかったり、どうしてもが暴れてしまうような場合は、投薬する人と押さえる人が二人で行うと、スムーズにいくかもしれません。一人で投薬しなくてはいけない場合には、飼い主さんの体の脇を利用して保定したり、の肩あたりをバスタオルなどで覆って暴れ難くするのも良いでしょう。
6.処方された薬の投薬が難しい場合は、かかりつけの先生に相談をしてみましょう。
上手く投薬するためのポイントを教えてもらえたり、飲ませやすい他のタイプのお薬を処方してもらえるかもしれません。

 

薬の保管法について

薬の種類によって、「室温保存が可能なもの」、「冷蔵保存が必要なもの」、「遮光が必要なもの」などがあります。必ずかかりつけの獣医師さんの指示に従いましょう。室温での保管が可能な薬剤であっても、高温・多湿・直射日光を避け、室温の変化が少ない場所で、乾燥剤と一緒に気密容器に入れて保管するのが望ましいでしょう。

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※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。

 

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みなさんからのコメント

Comment
アニコム獣医師
2021-07-28 20:06:51
>コウイチロウくん様
炎症を抑える目的でステロイドや非ステロイド性鎮痛薬を使用する場合、プレドニンもメロキシリンチュアブルも、推奨の投薬回数は1日1回24時間の間隔を開けることが多いですが、それぞれのネコちゃんの病状や体重によっても用法、用量は異なってまいります。プレドニンからメロキシリンチュアブルへの移行の際にあける時間に関しては、かかりつけの先生にご確認されることをお勧めいたします。
アニコム獣医師
2021-07-27 17:47:38
>みたろう様
消炎剤を過剰に投与した場合、胃腸炎を起こすことがあり、時間経過とともに嘔吐や下痢の症状が現れることがあります。回数を間違えた場合は、出来るだけ早期にかかりつけの先生に連絡いただくようお願いします。
コウイチロウくん
2021-07-26 18:11:08
口内炎治療中の13歳 4キロの猫です。
プレドニン4分の1からメロキシリンチュアブルへ内服薬が変更になったのですが プレドニン服用後20時間ほど経過しています。
メロキシリンチュアブルは24時間経ってなくても服用しても大丈夫ですか?
アニコム獣医師
2021-07-26 16:10:11
>にこさま
血圧降下剤を続けて内服されますと、急な血圧低下やふらつきを起こしたり、下痢をする可能性がございます。血圧降下剤には様々な種類のものがあり、お薬の種類によっても受ける影響が異なってまいりますので、かかりつけの先生にもご相談ください。
みたろう
2021-07-21 20:27:41
猫に皮膚炎のため朝抗生剤、夜に抗生剤と消炎剤を飲ませています。間違えて1日1回の消炎剤を朝、夜2回飲ませてしまいました。大丈夫でしょうか?

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