犬の食事(2) <成長と食事内容>

犬の成長と食事内容

・哺乳期
犬は、ヒトと同じく哺乳類なので母乳で育ちます。
出生直後は目も耳も開いていませんが、お腹が空いたら小さい鼻で母犬のおっぱいを探して、お腹いっぱいお乳を飲みます。特に出生後数日間の母乳は「初乳」といって母犬の免疫がたくさん含まれていますので、「初乳」を飲むことが大切です。
目と耳が開き、兄弟犬と遊ぶようになると、だんだんと小さな歯が生えてきます。

・離乳期
ヒトも歯が生え始めると離乳食を食べ始めますが、胃腸が未発達であるためトロトロなものしか食べられません。ワンちゃんも同じように、トロトロの離乳食から食べ始めます。母犬が食べて吐き戻したものを食べさせる場合もありますが、母犬の栄養管理などを考えて、離乳食には消化吸収の良いお肉やドッグフードをふやかして潰したものなどを与えることが多いようです。

離乳食を始めた数日は、上手に食べることができないかもしれないので、母乳を与えてもいいでしょう。徐々に離乳食に切り替えていくことが大切です。下痢や嘔吐など犬の体調に異常がみられた場合は、早めに動物病院に連れて行きましょう。

この時期は、「見るたびに大きくなっている」という表現が大げさではないほど成長が著しく、様々なことを体験、吸収していく社会化期です。食事の量を制限しすぎないよう、体調をみて食べさせてあげるようにしましょう。

・子犬期
生後 2 ヶ月くらいになると乳歯が生えそろい、離乳食も上手に食べられるようになってきます。胃腸も発達してきますので、少しずつフードをふやかすお湯の量を少なくし、形のあるものに変えていくとよいでしょう。

なお、便がやわらかいときには上手に消化できていない可能性があります。ふやかすお湯の量を多くするなど、犬の調子により調節しましょう。

・成犬期
一般的に小型犬で 10 ヵ月、中型犬で 1 歳、大型犬で 1 歳半 〜 2 歳で成犬になるといわれており、この段階で犬の体もできあがります。

これまでの食事は「成長するため」と「健康を維持するため」の両方の役割を担ってきましたが、成犬となった後の食事は「健康を維持するため」だけのものとなります。この時期に子犬用の食事から成犬用の食事へ切り替えるなどして、カロリー調整を行わず、過剰なカロリーを摂取することは肥満につながることが懸念されます。消費量と摂取量のバランスをとりましょう。

・老齢期
小型犬、中型犬、大型犬でそれぞれにばらつきがありますが、一般的に 6 歳頃から老化が始まるといわれています。人と同じように白髪が増えるといった外見的な変化はもちろん、筋肉や内臓の機能なども衰え、必要となる栄養素も変わってきます。市販されている高齢犬(シニア)用のドッグフードを選ぶと、効率良く必要な栄養素を補充でき、消化吸収できるのでよいでしょう。

必要なカロリーが少なくなる一方、若い頃と変わりなく食欲旺盛なことが少なくありません。そのため肥満傾向にありますので、きちんと管理をしてあげましょう。また、適度な運動は健康的な食事にも通じます。無理のないよう運動をさせてあげるとよいでしょう

 

与えてはいけない食べ物

 

犬はヒトと体の構造が全く違うので、食べさせてはいけないものがあります。それらを食べさせてしまうと中毒を起こす可能性があります。飼い主さんが食べさせてはいけないものを把握して、安全な食生活を管理しましょう。一部を以下に紹介します。

・たまねぎ・ねぎ・にら・にんにく類
赤血球が壊されるため、貧血を起こすことがあります。直接食べるだけでなく、煮汁でも中毒を起こします。たまねぎに対する感受性が遺伝的に異なるため、少しの摂取量でも中毒症状がでる犬もいます。

・チョコレート・ココアパウダー・コーヒー・紅茶
カカオ豆にはテオブロミンが含まれ、心臓と中枢神経系を刺激します。症状としては、頻脈・呼吸促迫、過度の興奮、痙攣が挙げられ、量によっては、心不全を起こして死に至ることがあります。

・ぶどう・レーズン類
犬の中には、ぶどうやレーズンの摂取により腎臓機能に障害をもたらす場合があるので注意が必要です。米国動物中毒コントロールセンター(ASPCA)の報告によると、中毒を起こした犬の中には急性腎不全により死に至った事例があります。

・鳥の骨
噛んで裂けると針のようにとがり、食道や胃腸に刺さる危険性があります。

・牛乳
犬の中には牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素が少なく、下痢を起こすことがあります。市販されている子犬用のミルクを飲ませたほうが安心です。

・ナッツ
症状は急性で、多量摂取後に運動失調や後肢の麻痺を起こすことがあります。

・大きな魚の骨
食道や胃腸に刺さる危険性があります。

・生卵の白身
卵は優秀な蛋白源ですが、生卵の白身にはビタミンBのうちの一つであるビオチンを壊す成分が含まれていますので、必ず火を加えて与えるようにしましょう。

 

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