犬の「警戒吠え」をくわしく解説! 対処法はどうする?
ワンちゃんが吠えるのは、縄張り意識、不安や恐怖、要求、喜びなどさまざまな理由があります。その中でも、ワンちゃんが身の危険を感じた時やテリトリーを侵害されそうになった時など、相手に対して注意を促すために吠えている状況を一般的に「警戒吠え」といいます。

物音・窓の外に吠える場合
・退屈しているため、外の環境を気にしている
・不安を感じている
・群れ(家族)を守ろうとして吠えている
・「吠えれば遠ざけることができる」と学習した
・「吠えるのはいいこと」と学習した
▸吠えている時の対処法
ワンちゃんは自分がした行動の前後で、何が起こったかという経験から学習していきます。
吠えている間は無視をし、吠えるのをやめて、ワンちゃんが落ち着いた後、「オスワリ」などの指示に従ったら褒めることで、「吠えていない時に注目してもらえる」と教えていきましょう。
もし、無視をしてもなかなか吠えやまない場合には、抱っこをする、ケージで安心させるなどしてワンちゃんの気持ちを落ち着かせてあげるのも一つの方法です。
▸吠える機会を減らしていくための工夫
吠える対象が多い場所で過ごしていると、ワンちゃんの習性上、吠えざるを得ない状況が続きます。例えば、窓の外を通る人に対して吠えた時、相手はこちらが吠えたかどうかに関わらず去っていきますが、ワンちゃんは「遠ざけることができた」と学習します。
これが繰り返されることで、「吠えないこと」より「吠えたこと」による成功体験が多くなるため、まずは可能な限り、吠えるきっかけを減らしていくことが重要なポイントです。
(工夫例)
・ワンちゃんが過ごす場所を外の物音が聞こえにくい場所に変える
・窓の外を通る人影などが気にならないよう、カーテンをしっかりと閉める
・ケージ自体を大きな布などで覆ってあげる
屋外で過ごすワンちゃんの場合、吠えるきっかけとなる刺激も多いため、ハウスの位置や向きを工夫したり、よく吠える時間帯だけでも刺激の少ない場所で過ごすようにすることも方法の一つです。
▸縄張り(テリトリー)意識を弱める
縄張り意識はどのワンちゃんにもありますが、家全体がワンちゃんの縄張り(=守りたい場所)になっている場合、「家の外」全てが警戒する対象となる傾向があります。特に警戒心の強いワンちゃんは、家の中をどこでも自由に行き来できる状態よりも、ある程度、行動範囲を制限し、ワンちゃんの縄張りを狭めておく方が、警戒ストレスがかかりにくいといわれています。
また、ケージやサークルが、ワンちゃんが不安を感じた時に逃げ込んだり、リラックスして過ごせるような安心できる場所であることも大切です。ケージが苦手なワンちゃんは、日頃からケージの中でごはんやおやつをあげたり、ケージの周辺で遊ぶなど、少しずつケージのイメージをよくしていきましょう。
来客に吠える場合
・自己防衛のために吠えている
・追い払おうとして吠えた成功経験から学習した
▸吠えている時の対処法
吠えている間は無視し続け、吠えるのをやめて、ワンちゃんが落ち着いた後、「オスワリ」などの指示に従ったら褒めることで、「吠えていない時に注目してもらえる」と教えていきましょう。
また、飼い主さんがワンちゃんと一緒に玄関の外に出てから、来客に先に家の中へ入ってもらうのもよいでしょう。その後に戻ることで、知らない人が「入ってきた」という感覚が薄れ、吠えやむことがあります。
▸吠え始める前にできること
ワンちゃんは吠え始めると興奮して、収拾がつかなくなることが多いため、吠える前の段階で対処し「吠えずに他の行動をしたら、良いことがあった」という成功体験を積み重ねていくことがポイントです。
例えば、吠え始める前のタイミングで、「オスワリ」「フセ」「マテ」等、他の行動を指示し、大好きなおやつやおもちゃで興味を引きつけておき、吠えずにやり過ごすことができたら、褒めてあげましょう。
また、ワンちゃんの主な居場所を玄関や窓から遠い場所にしたり、来客のある時間がわかっている場合、その時間帯は、ケージや他の部屋で過ごしてもらうのもよいでしょう。
インターホンに吠える場合
・来客を家族に知らせようとしている
・縄張りや家族を守ろうとする防衛本能
・音に驚いて興奮している
▸吠えている時の対処法
ワンちゃんが吠えやむまで無視をし、反応しないようにしましょう。 なかなか吠えやまないときには、抱っこをしたり、ケージに連れて行くなどして安心させてあげると吠えやむことがあります。
▸インターホンが鳴った時の飼い主さんの行動
インターホンが鳴った時、飼い主さんが慌てて対応をする様子がワンちゃんに伝わり、不安な気持ちにさせていることがあります。ゆっくりとした動作で堂々と振舞うことも大切です。
▸音に慣れるためのトレーニング
苦手なものに慣れてもらうためには、リラックスした雰囲気の中で「好ましい行動」を少しずつ繰り返し教えてくことが重要です。
例えば、ワンちゃんが落ち着いている時に、他の家族や友人などに協力してもらい、あらかじめ録音しておいたインターホンの音を鳴らします。瞬間的にワンちゃんが耳をぴくりとさせて「今にも吠えそう」という状態の時に、落ち着いた声で「オスワリ」など他の行動を指示します。その指示に従えたら、すぐに褒め、ワンちゃんの大好きなおもちゃやおやつなどでご褒美を与えるのもよいでしょう。はじめは、音量を小さくして練習するのがポイントです。
このように、「吠えようとした時に、吠えずに他の行動をしたら、良いことがあった」と繰り返し経験させることで、ワンちゃんの行動に変化がみられるように働きかけましょう。
散歩中に特定の対象(他のワンちゃん・人・車・バイクなど)に吠える場合
・恐怖心
・急に近づいてきたものに対して反射的に吠えている
・家族を守ろうとしている
・「遠ざけることができた」と学習した
いずれの場合も、「ワンちゃんは飼い主さんに守られる存在」「飼い主さんと一緒なら怖がる必要がない」ことを教えてあげることが大切です。「また吠えてしまうのではないか」と不安な表情は見せず、堂々と振舞い、ワンちゃんとのお散歩を楽しむように心がけましょう。
▸吠える前にできること
吠え始めると興奮し、指示が通らなくなるので、吠える前の段階で対処しましょう。
・吠える対象に飼い主さんが気づいたら、ワンちゃんが気づく前にその場から離れる
・すれ違う場合は、気づいた時点で、リードを短く持つ ・対象物との間に飼い主が立ち、目隠しになる
・「オスワリ」や「マテ」の号令をかける
・おやつやおもちゃを使い、通り過ぎるまで飼い主さんに注目させておく
・吠えずにいられたら、すぐに褒める
静かな公園や道路をお散歩コースにしたり、人通りの少ない時間帯を選ぶなど、吠える機会が少ない環境下でトレーニングをスタートしましょう。
また、日頃からどのような状況下でも、ワンちゃんの注目や意識を、飼い主さんに戻せるようにアイコンタクトの練習をしておくとよいでしょう。
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環境の変化はわんちゃんにとってストレスとなります。緊張や警戒などで吠えている可能性がございます。旦那様が離れていくことを避けようとしていたり、一方のわんちゃんの今までにない行動に反応しているのかもしれません。リラックスできる環境を整え、順応できるよう見守ってあげてください。
散歩中に近づいてきたわんちゃんや人に吠えます。しっぽをふって低くなり遊びたそうな格好をしてるので、遊びたいのと怖い気持ちなのかなと思います。怖くないことを教えてあげたいのですがリード持ってる飼い主としてどのような対応するといいでしょうか。
相手がきた際、まずは飼い主様が対応するようにしましょう。チワワちゃんが吠えるときは、抱っこやリードを短く持ち自分の後ろに居させるなど、落ち着きやすい状況を作ります。相手には事情を伝え、落ち着くまでチワワちゃんの相手をしないようお願いできると良いですね!チワワちゃんが落ち着いたら、おやつなどを使いたくさん褒め、良いイメージにしていきます。チワワちゃんのペースに合わせて教えていきましょう!
ここ最近になって突然警戒吠えが始まりました。
家の中に家族と居ても外で物音や人の声がすると突然走り回りベランダの窓に向かって吠えます。暫く落ち着かず吠えています。
お散歩で外では人にもワンちゃん達にも吠えることはありません。吠えられても吠え返すこともありません。家の中で家族以外の音に対してだけ異常に吠えて困っています。