心筋症(拡張型・肥大型) <フェレット>

概要

Overview

心筋症とは、心臓を構成する筋肉である心筋が、何らかの原因で通常よりも厚くなったり薄くなったりするなどの異常を起こし、心臓の働きが弱くなる病気です。症状がなくても進行していくことが多いので、症状の有無にかかわらず治療を続けることが大切です。

 

※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。

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原因

心筋症は、大きく「拡張型心筋症」と「肥大型心筋症」の2つに分けられますが、その原因は犬や猫と同様に明らかではありません。
フェレットでは肥大型よりも拡張型が多いといわれております。また、フェレットの心筋症の発生には内分泌疾患、栄養障害、中毒やウイルス性疾患が関与しているともいわれています。
(1)拡張型心筋症
 心筋が薄く伸びてしまい収縮力が弱まることから、血液の循環不全を起こします。
 高齢のフェレットに多く見られます。

拡張型心筋症(図)
(2)肥大型心筋症
 心筋が厚くなり、心臓の空間部分である心室が狭くなります。
 このため、心臓が強く拍動できず、血液の循環不全を起こします。

肥大型心筋症(図)

症状

軽症の場合では無症状の傾向がありますが、病状の進行に伴い元気消失、食欲低下、削痩(さくそう)※、発咳(はつがい)などがみられます。症状が重くなると呼吸困難、血液中の酸素濃度の低下が原因で皮膚や舌などが暗赤色や紫色になる(チアノーゼ)、低体温、粘膜の色が蒼白くなる(粘膜蒼白)などが見られます。循環不全が進行すると、血液の液体成分である血漿が漏れ出て、胸水や腹水が貯留したり、肺に水が溜まったりして(肺水腫)衰弱します。また、脈拍が正常の範囲を超えたり(頻脈)や不規則であったり(不整脈)、心雑音などがみられたりします。
※健康な状態の体重が著しく減少して、異常に痩せてしまった状態が削痩です。

治療

心筋症の根本的な治療は確立されていませんが、症状に合わせた治療を行います。例えば、肺に水がたまっている(肺水腫)ときには利尿剤を用いたり、循環不全を解消するために血管拡張薬や強心剤などを用いたりします。運動制限を行うこともあります。また、重症になると酸素吸入が必要となることもあります。心不全に対する治療に加えて、不整脈や血栓の塞栓症に対する治療や心筋症の進行を防ぐ治療が基本となります。不整脈には抗不整脈剤、血栓に対しては抗凝血剤のワルファリンなどを用います。

予防

早期ですと症状を示さないこともあるので、病気の早期発見のために健康診断は欠かせません。早期発見することで症状を軽減し、進行を遅らせてあげることは可能です。

病気のデータ

Disease data

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みなさんからのコメント

Comment
アニコム獣医師
2021-07-09 09:25:05
>はな様
心臓疾患の循環不全で胸水が溜まる場合、定期的な胸水抜去に加え、投薬により貯留量を減少させたり、溜まる速度を抑制出来ることもあります。その他としては、体が楽になるよう酸素ハウスに入ってもらうなどの方法もあります。使用できる薬は心臓疾患の種類や、どうぶつさんの種類によっても異なりますので、再度かかりつけの先生にご相談いただくことをお勧めします。
はな
2021-07-06 19:09:08
現在、8歳メスのフェレットを飼っています。
2年程前から、闘病中で心臓が悪く胸水が溜まりそのたびに胸水を病院に抜きに行っています。

最初は数ヶ月に一度抜いたら大丈夫だったのですが、梅雨時期で体調もあまり良くならず今では1週間に2回胸水を抜かなければいけない感じです。
食欲はあるので、体力などなんとか持ち堪えてくれてますが、高齢なので、他に治療は難しいので、しょうか??

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