猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症 <猫>

概要

Overview

「猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症」は一般的に「猫エイズ」と呼ばれていますが、エイズの意味は後天性免疫不全症候群(こうてんせいめんえきふぜんしょうこうぐん, Acquired Immune Deficiency Syndrome:AIDS )のことなので、正確には「猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症」の病態の一つが「猫エイズ」ということになります。
FIVはほとんどの場合、感染猫に咬まれることで、唾液により感染します。感染すると、長期間かけて免疫不全症候群を発症させることが知られていますが、発症までの潜伏期間中は無症状のことも多く、発症しない場合もあります。

猫免疫不全ウイルス・FIVの診療フローチャート

 

※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。


お近くの動物病院をお探しの方はこちら アニコム損保動物病院検索サイト

原因

猫免疫不全ウイルスが原因となり、引き起こされる病気です。このウイルスは感染猫の唾液中に含まれるため、多くの場合、ケンカで咬まれたとき等に感染します。

症状

猫免疫不全ウイルスに感染して1ヶ月程経過すると一時的に発熱し、下痢や全身のリンパ節が腫れる症状が現れます。この時期を急性期といい、数週間から数ヶ月続いた後は、無症状キャリア期に入ります。そして、徐々に免疫力が落ちてくると、口内炎や鼻炎などの慢性感染症等の様々な免疫不全の症状が現れます。さらに病状が進行すると、後天性免疫不全症候群(エイズ)を発症し、貧血や腫瘍などの発生、体重減少などの症状が起こります。このような状態になると、多くの場合、発症から数ヶ月で死亡する確率が高くなります。

治療

現在のところ、有効な治療法はありません。口内炎や慢性感染症などの症状が出た場合、抗生物質や抗炎症剤、インターフェロン等を用いた対症療法が主体となります。後天性免疫症候群を発症すると、多くの場合、数ヶ月で命を落とします。

予防

2021年11月現在、ワクチンが販売されています。通常、血液検査にて猫免疫不全ウイルスに感染していないかを確認し、陰性の場合に接種します。接種を受ける際には、事前に動物病院へご相談ください。また、咬傷により感染する可能性が高い病気のため、ウイルスの感染から守るために、室内飼いが推奨されます。なお、猫免疫不全ウイルスに感染した場合、ストレスのかからない快適な環境を作ることで、後天性免疫不全症候群の発症を予防できます。

病気のデータ

Disease data

病気のかかりやすさ(%)

平均年間通院回数
通院1回あたりの平均単価
他の動物種のデータを見る

病気のデータ

他の動物種のデータを見る

みなさんからのコメント

Comment
スコチャン
2024-09-22 00:50:30
3ヶ月のスコティッシュ
2回めの予防接種してから
鼻くそがいつも。取ってもとっても鼻くそが。
先生はもう一回予防接種推奨するというのですが
エイズとかもしんぱいしなきゃならないですか?
もう一回予防接種したほうがいいのでしょうか?
アニコム獣医師
2024-09-25 12:05:30
>スコチャン様
お迎えしてから、一時的に体力が低下してねこ風邪をひいてしまうことはよくあります。お鼻が汚れる以外に、目ヤニやくしゃみといった風邪症状がないかよく見てあげましょう。子ねこちゃんへのワクチンは3回接種が推奨されていますが、スケジュールはねこちゃんの体調にもよるため、先生とよくご相談されてください。猫エイズは、血液検査で調べられるため、ご心配な場合は合わせてご相談されると安心です。
ぷりこ
2024-09-15 20:39:51
この度2ヶ月の保護ねこを引き取りました。エイズ陽性。鼻風邪引いてます。先住の猫たちは陰性なので、半年までは隔離覚悟です。感染してても発症してなかったら、他の猫には移らないのですよね?半年過ぎてお母さんの免疫落ちたら陰性になること願ってます。が、あまいですか?
アニコム獣医師
2024-09-18 12:12:25
>ぷりこ様
猫エイズ陽性の場合、症状がなくともウイルスキャリアと呼ばれる状態で常に感染性を有します。先住の猫ちゃんたちへの感染を防ぐためには永続的な隔離やぷりこ様が感染経路にならないように配慮し続ける必要もございます。詳しくはこちらも合わせてご覧になってみてください。<https://www.anicom-sompo.co.jp/nekonoshiori/5132.html>
トラママ
2021-08-26 11:03:11
生後1ヶ月で保護。ウィルス検査をしたところ猫エイズ陽性。
1歳になる前から鼻水鼻づまりに悩まされてました。
4歳を迎える直前に食欲がなくなり病院へ行ったところ腹部の悪性リンパ腫と診断されましたが約3年鼻づまりで苦しい思いをしてきたので抗がん剤治療はしていません。
自然に任せることにしています。
余命1年弱と宣告されましたので穏やかな日々を送れるようにしたいです。

コメントを書く

※20文字以内で入力してください
※200文字以内で入力してください
画像
最大3ファイル / 64 MB 制限 / 許可されたタイプ: png gif jpg jpeg

アニコム損害保険株式会社

アニコム損害保険は、ペット保険を通じて、飼い主様の涙を減らし笑顔を生み出す保険会社を目指しています。

保険金支払データの分析を通じ、どうぶつがケガをしない、 病気にならないための情報の提供など、予防促進に取り組んでまいります。