【犬の防災対策】
大切な愛犬を
災害から守るために、今備えて
おきたいこと
2023.02.28
台風や大雨による土砂災害や河川の氾濫、地震がもたらすさまざまな被害…。皆さんはどのような備えをしていますか。突然の災害時、飼い主としてどのように行動をすればよいのでしょうか。また、万が一に備えて、愛犬を守るために今できることとは?平時から備えておきたいわが子のための防災用品やしつけのことなど、愛犬のための防災対策について、まとめました。
愛犬のための防災対策
飼い主として、備えられることとは何でしょうか?順番にリストアップしていきます。
● 避難場所の確認
場所だけでなく、ペットの受け入れ、避難方法についてもしっかり理解しておきたいです。ご自身の避難先は、「同行避難」が可能ですか?それとも、「同伴避難」が可能でしょうか?
● 愛犬を守るためのしつけ
愛犬を守ることにつながるしつけがあります。
● 愛犬のための防災用品
防災用品はどんなものを、どのくらい準備しておけばいいのでしょうか。
● その他にできること
万が一、一緒にいれないときのことも想定して、できることを考えておきましょう。
それぞれ解説していきます。
飼い主として
理解しておきたい
「同行避難」と「同伴避難」
の違い
災害時、自分がどこの避難所へ行くか確認していますか?また、その避難先は、ペットの受け入れは可能でしょうか。受け入れ可能な場合、「同行避難」が可能なのか、それとも「同伴避難」が可能なのかも大事な確認ポイントです。
「同行避難」とは?
ペットと共に安全な場所まで避難することをいいます。避難所等で、飼い主がペットを同室で飼養管理することではありません。
「同伴避難」とは?
ペットと一緒に同行避難したうえで、避難所においても、飼い主が飼養管理することをいいます。この場合でも、必ず同室で過ごせるというわけでなく、避難所によって飼養環境は異なります。
ペットの「同行避難」と「同伴避難」の違いがわからず、過去の震災時には避難所で混乱が起きた例もありました。「同行避難」と「同伴避難」の違いを正しく理解し、事前に確認しておくようにしましょう。
※環境省「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」より抜粋
水害時に必要なことは?
地震の場合は、「被災された方」が避難所へ避難します。しかし、台風などの水害の際は、被災された方だけではなく「これから被災するかもしれない方」も避難します。台風や大雨による土砂災害や河川の氾濫などに備えて、一時的な避難のパターンの想定もした準備が必要です。
水害に備えて、ご自宅地域の災害ハザードマップを確認しておきましょう。
大雨の中、愛犬を連れて避難することになれば、カッパを着て、リュックを背負って、愛犬のクレートを持ちながらの移動になるかもしれません。さまざまな場合を想定しておく必要がありそうです。
情報収集と避難訓練をすることが大切
2019年の台風19号の際には、区役所のホームページにアクセスが集中し、どこに避難してよいのかわからなかったという話も聞かれました。また、予定していた避難先が被災する可能性もあるので、二次避難先も見つけておくなど、平常時に情報収集しておくことが大切です。
地域によっては、ペット連れの防災訓練などを実施している場合があります。訓練に参加することで、ペットを連れての避難のイメージがより具体的になります。また、実際にペットも連れて防災用品をもって、自宅周辺を歩いてみるなどシミュレーションすることもおすすめです。
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愛犬を守るためのしつけ
災害時に愛犬を守ることにつながるしつけがあります。基本的なしつけ「おいで」「まて」「ハウス」など、普段からできるようにしておかないと、災害時にできるわけがありません。また、他人や新しい環境、車などに慣れさせておく社会化も大切です。飼い主とずっと一緒にいられるとも限りませんし、慣れない環境でストレスを感じさせてしまう可能性もあります。さまざまな可能性を想定して、準備をしておきましょう。
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愛犬のための防災用品
愛犬のための防災用品、どんなものをどのくらい用意していますか?避難先において、ペットのために必要なものは、飼い主が用意しておくべきです。ペット用の救援物資を運ぶ車両が緊急車両として認められず、避難所等にペット用の救援物資が届くまでに時間がかかる場合があります。少なくとも5日分(できれば 7 日分以上が望ましい)は用意しておきましょう。特に、療法食等の特別食を必要としているペットの場合は、さらに長期間分の用意が必要です。
災害時に限らず、ライフラインの被害や緊急避難などに備え、ペットの避難に必要な物資の備蓄を行い、避難が必要な場合は、一緒に持ち出せるようにしておきましょう。
※環境省「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」より抜粋
防災用品にいれておきたいもの
愛犬のための防災用品をリストアップします。
- フード(7日分以上)、水
- お薬(持病がある子は必ず多めに)
- おやつ
- トイレシーツ
- ゴミ袋(うんち袋など、匂いが抑えられるものもあるとより良い)
- タオル 5~6枚(多めにあるとなにかと便利です)
- フードボウル・水入れ
- ペット用ウェットティッシュ
- ペット用消臭スプレー
- 首輪・リード
- ワクチンなどの証明書コピー
- 愛犬の情報を記載したメモ(かかりつけの動物病院情報や飼い主の連絡先なども)
「アニコム防災手帳」をぜひご活用ください!
- ペットの写真
- ガムテープ(ケージの補修など、多用途に使用可能)
- おもちゃ
- キャリーバッグや犬用スリング(がれきなどがあり、歩かせることができない状況になるかもしれません。)
その他にできることは?
飼い主自身の身を守らないことには、わが子を守ることはできません。自分自身の安全を守ることは第一ですが、何が起こるかわからないのが災害です。万が一、地震などが起きたときに一緒にいられないパターンも想定して、離れていても愛犬を守る準備をしておきましょう。
マイクロチップの装着
普段はおとなしい子でも、災害時にはパニックになってしまい、逃げだしてしまうこともありえます。万が一、はぐれてしまったときのためにも、「マイクロチップ」を犬に装着し、登録しておきましょう。
マイクロチップとは?
マイクロチップとは、直径2㎜、長さ約8~12㎜の円筒形の電子標識器具で、内部はIC、コンデンサ、電極コイルからなり、外側は生体適合ガラスで覆われています。それぞれのチップには、世界で唯一の15桁の数字が記録されていて、この番号を専用のリーダーで読み取ることができます。動物の安全で確実な個体識別の方法となり、迷子、災害、盗難、事故などの場合にも、確実な身元証明ができます。
おうちに「ペットのための救助依頼用ステッカー」を貼っておく
飼い主が外出中で愛犬だけが家にいるときに被災してしまう可能性もあります。そんなときにも、「ペットのための救助依頼用ステッカー(※災害時に自宅に残されたペットのための救助依頼用ステッカー)」を貼っておくだけで、ペットがいるということを知らせることができます。離れているときも、守ってあげましょう。
ペットのお世話を頼める人の確保
飼い主として、わが子を守るのは当然のこと。そうはいっても、飼い主自身にも何が起こるかはわかりません。ご近所の方や家族などで、ペットのことを頼める人を見つけておくことも必要です。
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わが子を守るために
いかがでしたでしょうか。すでに愛犬のために防災対策をしている方も多くいるかと思いますが、少なくとも年に一度は防災対策について見直すことが大切です。どんなときも、わが子を守ることができるのは飼い主です。飼い主として、わが子のためにできることを今見直しておきましょう。
公開日:2020.12.17