概要
Overview乳腺は、左右の乳頭に沿って存在する乳汁を分泌する分泌組織で、乳腺腫瘍はこの乳腺組織が腫瘍化することで起こる病気です。中高齢の女の子の犬に多く認められる腫瘍です。
※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。
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原因
発症の要因として、女性ホルモンやその他のホルモン、遺伝的体質などの影響があるといわれています。避妊していない中高齢以上の女の子の犬で、乳腺腫瘍の発症率が高いことが知られており、初めての発情の前に避妊手術を行うと乳腺腫瘍になる確率が非常に低くなるといわれています。
症状
乳腺組織に「しこり」ができます。胸や脇の下、下腹部、内股までの乳腺に複数ヶ所できる場合もあり、悪性腫瘍の場合は腫瘍の増殖とともに皮膚が破け出血や壊死を起こしたり、リンパ節や肺や肝臓などの他の組織に転移する場合があります。
治療
外科的に腫瘍を手術で摘出します。早期発見、早期摘出が重要となります。良性腫瘍では、早期摘出で経過が良好な場合が多いですが、悪性腫瘍では、摘出しても再発や他の組織に転移をすることがあり、経過が悪い場合もあります。手術で摘出する治療以外に、抗がん剤治療や放射線治療を行なうこともあり、またそれらの治療を手術と組み合わせて行なう場合もあります。
予防
発症には女性ホルモンの影響があるといわれているため、若いうちに避妊手術をすることは乳腺腫瘍の予防につながります。また、日頃から犬の体をこまめに触ることを心がけ、「しこり」がみられた場合は、早めに動物病院にご相談ください。
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手術するにも事前検査が必要なのと、高齢のため麻酔は難しいので緩和ケアをしようと医師と家族と話し合い決断しました。ケアとしては化膿した部分から感染しないように、1日1〜2回ぬるま湯で洗うこと。その後食欲ないなど症状出たらまた相談することに
本人は痛がる様子もなく元気いっぱいです
皮膚にぽつぽつと色がつく原因には、メラニン色素の沈着、皮膚のターンオーバーの乱れ、毛穴のつまり、皮膚への持続的な刺激などがあります。また、乳腺の色や大きさは、炎症や発情、乳腺腫瘍に伴って変化することもあります。お写真では、何が原因で色がついているのかや、乳腺にしこりのようなものがあるかどうかは判断できかねますため、一度かかりつけの先生に診ていただくことをお勧めいたします。
年齢にもよりますが、犬の乳腺腫瘍では良性と悪性の比は約1:1とされています。乳腺は左右に5つあり、良性から悪性への移行や他の乳腺への転移を防ぐために摘出手術を行う場合が多いです。基礎疾患による麻酔リスクが髙い場合は、負担軽減のために術前処置や手術方法を変更して実施することもあります。ワンちゃんの状況によっても判断が異なるため再度主治医様と相談いただくことをお勧めします。