前十字靱帯断裂 <犬>

概要

Overview

前十字靭帯は、後十字靭帯とともに大腿骨(太ももの骨)と脛(けい)骨(すねの骨)を結びつけている靱帯です。この前十字靱帯は、1. 大腿骨に対して脛骨が前に飛び出さないように制限する 2.膝の過剰な伸展を防ぐ 3. 後十字靱帯とねじりあって脛骨が内側にねじれこまないように支えるなどの役割があります。前十字靭帯断裂は、この前十字靱帯が切れてしまう病気です。

※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。

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十字靭帯断裂のフローチャート

原因

前十字靱帯は、加齢により靭帯の強度が弱くなったり(靭帯の老化)、肥満により負担がかかることで切れやすくなります。また、小型犬で膝蓋骨脱臼がある場合や、骨の形成異常などがある場合も靭帯に負担がかかるために発症の要因となり、膝に急激な外力(外傷や打撲、急なジャンプやダッシュ、急激なターン、事故など)が加わることで前十字靱帯断裂が発症します。

症状

靭帯が断裂した直後は、痛みのために地面に患肢を最小限しか着けないような歩き方をしたり、足を挙げたままの状態になったりします。体重が軽い犬の場合、痛みは 2 - 3 日経つと軽減することが多いようです。しかし、関節内の障害が慢性化すると、足を引きずるようにして歩く跛行(はこう)がみられるようになり、特に運動後は顕著に認められます。体重の重い犬で症状が顕著な場合が多く、慢性の関節炎や関節が腫れる症状がでることもあります。

治療

犬の症状や靱帯の状態、体重、運動量、飼い主の希望などによっても治療法は異なりますが、一般的には、内科的治療と外科的治療があります。

●内科的治療
鎮痛剤の投与やレーザー療法などによる痛みの管理、運動制限、肥満を防ぐための体重管理などを行います。内科的治療で症状が緩和され、良好な生活を送れるケースもありますが、症状が重度な場合や内科的治療を行って症状の改善がみられない場合などは、外科的治療を行います。

●外科的治療
前十字靭帯断裂の手術方法にはさまざまな方法があり、筋膜を用いて靱帯を再建する方法、他の靭帯や人工靭帯で前十字靭帯を代用する方法や、骨を関節が安定する形に切除する方法などが知られています。犬の症状や靱帯の状態などによって、適応時期や手術方法が異なります。また、外科的治療を行う場合は、麻酔のリスクや手術後の安静期間、ケア方法、費用につきましても、かかりつけの動物病院とよくご相談ください。

予防

予防には、体重管理が大切です。肥満にならないように日頃からのこまめな体重管理を心がけましょう。フローリングなどの滑りやすい床材は避ける、足の裏の毛が伸びてくる犬は滑らないようにするために足の裏の毛を短くカットする、ジャンプや過度な運動をさせないなど、日常生活での注意も必要です。膝蓋骨脱臼を発症している犬の場合には特に注意しましょう。また、犬に前十字靭帯断裂が疑われるような症状が見られた場合は早めに動物病院にご通院ください。

病気のデータ

Disease data

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