脂漏症 <犬>

概要

Overview

皮膚の新陳代謝が異常に速くなり、全身の皮脂腺の分泌が過剰になったり、皮膚の角化が異常に亢進した状態を「脂漏症」といいます。

 

脂漏症の診療フローチャート


原因により、あるいは脂漏の状態により次のように分類されます。

1.原因による分類
遺伝性疾患である「原発性脂漏症」と、何らかの原因により二次的に起こる「続発性脂漏症」があります。

(1)「原発性脂漏症」とは?
常染色体の劣性遺伝による遺伝性疾患です。
好発犬種はアメリカン・コッカー・スパニエル、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル、ウエスト・ハイランド・ホワイトテリア、バセット・ハウンド、シーズーなどです。

(2)「続発性脂漏症」とは?
真菌・細菌・寄生虫による感染、アレルギー、内分泌疾患、栄養の偏り、免疫介在性疾患、代謝性疾患、腫瘍など、さまざまな要因から二次的に発症するタイプの脂漏症です。

2.状態による分類
脂漏の状態が乾性であるものと湿性であるものに分類されます。

(1)「乾性脂漏」とは?
皮膚が乾燥し、これに伴い鱗屑(フケ)が増えます。

(2)「湿性脂漏」とは?
皮脂が異常に増えます。 これに伴い皮膚がべとつき、悪臭を伴います(脂漏臭)。

 

※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。

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症状

乾燥した光沢のない被毛、過剰な鱗屑(フケ)、べとつきのある皮膚、体臭が強くなる、痒がる、脱毛などの症状がみられます。全身のあらゆる部位でさまざまな程度で発症しますが、一般的に趾間、会陰、顔面、腋窩(脇の下)、頚背部、腹部、皮膚の皺の間などは重度になりやすいようです。

脂漏症のダックスフンド(お腹~後ろ足の脱毛)
▲脂漏症のダックスフンド(お腹~後ろ足の脱毛)
脂漏症のダックスフンド(胸~わきの脱毛)
▲脂漏症のダックスフンド(胸~わきの脱毛)

治療

原因となる病気がある場合には、その病気の治療をおこないますが一般的な脂漏症の治療は、薬用のシャンプーによる薬浴や食事管理、抗生剤や抗真菌剤による細菌・真菌などの二次感染の制御が主体になります。また、患部を清潔に保つこと、シャンプー後しっかり乾かすことが、治療のためにも予防のためにも大変重要です。
薬浴: 皮脂、鱗屑(フケ)を減らすことを目的に、脂漏症用のシャンプーを使用します。
脂漏症用シャンプーの頻度や種類の選択は、犬の症状や状態などによっても異なりますが、硫化セレン、コールタール、硫化サリチル酸、過酸化ベンゾイル等や抗真菌剤の含まれたシャンプーなどを用います。

食事管理: 栄養バランスの取れた食事を与えることが重要です。脂質や亜鉛・銅などのミネラル、ビタミンA、ビタミンCなどは、皮膚の再生やバリア機能の保持にとって重要な働きをしています。

予防

脂漏症の場合、維持療法を続けることが必要となりますが、「日頃から皮膚を清潔に保つため、
シャンプーやブラッシングなどのケアを適切に行うこと」、「栄養バランスの整った食事を摂取すること」が
大切です。治療が遅れると慢性化してしまい治療が長引く傾向にあるため、早期発見、早期治療が大切です。

病気のデータ

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