キャットフードの種類
水分含有量の違いによりドライタイプ、セミモイストタイプ、ソフトドライタイプ、ウェットタイプ(缶詰タイプ)があります。
水分が多いウェットタイプ(缶詰タイプ)は水分の含有量が多く猫の身体に欠かせない水分の摂取という点では望ましいのですが、開封後は痛みやすいので自由採食を好むタイプの猫には適さない場合があります。
また水分含有量が 10 %以下のドライフードでも開封後の保存方法が悪いと、カビが生えたり品質が変化したりして猫の健康に影響が出ることもあります。必ず密封する、風通しが良く気温が上がらないところに置くなど、保存方法に注意してください。
成長に合わせて
猫は、一般的に生後約12ヶ月間でほぼ成猫に育つといわれています。この成長期に摂取する食事はとても重要で、必要なカロリーや食事の量も成長に合わせて変えていくことが大切です。
・哺乳期
生まれたばかりの赤ちゃんは、自分で体温の調節ができないので、母猫の体温で体を温めてもらいます。目や耳も閉じたままですが、本能から嗅覚と触覚で母猫のおっぱいを探し、「初乳」(最初に出る母乳)を飲みます。また、初乳を飲むことは栄養を摂取するだけではなく、母猫の持つ免疫(抗体)を得ることにもなりますので、とても重要なことなのです。
なお、この時期の子猫は一日のほとんどを寝るか母乳を飲むかして過ごします。また自力で排泄ができないため、母親はしきりに子猫のお尻を舐めて排泄を促します。
・離乳期
離乳期とは言葉のとおり、母乳から離れ自分で母乳以外の食事を始める時期のことです。この頃には乳歯が生え始め、噛むことを学習し始めるので、離乳をするには最適な時期となります。
まだ「食べる」ということを知らない子猫に突然離乳食を与えても、食べないことがありますので、まずは徐々に慣らしていきましょう。
まずは母乳を与える時間の合間に、猫用のミルクに離乳食を混ぜることで、匂いや食感に慣れさせます。初めは食べなかったり、興味を示さなかったりする場合もあるかも知れませんが、根気強く与えてみましょう。
徐々に母乳の回数を減らしていくのと同時に、離乳食の量を増やしていきます。もし、離乳食を食べる量が少ない場合には、再度母乳の量を増やしましょう。また、この頃の猫は胃腸が未発達で、一度に多くの消化ができません。猫の様子に合わせて、一日に必要な量を何回かに分けて与えるなど、消化吸収しやすいように工夫してください。下痢や嘔吐など猫の体調に異常がみられた場合は、早めに動物病院へ連れて行きましょう。
なお、離乳食には缶詰になっているものもありますが、幼猫用のドライフードを猫用のミルクなどでふやかしてあげてもいいでしょう。
・幼猫期
離乳が完了し、歯が生えそろう時期です。離乳期は缶詰の離乳食やフードをふやかして柔らかくするなどして与えていましたが、固さを調節して、少しずつ固めのフードにしていきます。
ただ、まだまだ消化能力が完全ではないので下痢を引き起こしてしまうことがあります。このような場合には、無理をせずにフードをふやかして体調を崩さないよう調節し、 1 回の食事量を減らして回数を増やしてあげましょう。
・成猫期
生後 1 年〜 1 年半を迎えるとほぼ成猫となります。一般的に、幼猫期のフードには、猫が成長するために必要な栄養素やカロリーが多く含まれているので、成猫になってからも同じフードを与え続けると、カロリーオーバーで肥満になり、体に負担をかけてしまうことがあります。
この時期には成猫用のフードに切替え栄養のコントロールをすると共に、運動量にも気を配り、消費カロリーとのバランスをとってあげましょう。また、定期的に体重測定をして肥満に気をつけましょう。
・高齢期
一般的に 7 〜 8 歳から老化が始まるといわれています。人と同じように個体差はありますが、老化が始まると運動量が減り、必要な栄養分やカロリーも変わり、体の機能がだんだんと衰えてきます。
このため、この時期の猫に成猫用のフードをあげると肥満の原因にもなります。、また、高齢猫用のフードには高齢期の健康維持に必要な栄養分がバランスよく含まれていますので、この頃から高齢猫用のフードに切替えてあげましょう。
また、年齢を重ねるごとに歯が弱くなってしまい、中にはドライフードを食べることが困難になる猫もいますので、猫の健康状態に合わせて、フードをふやかしてあげたり、ウェットタイプのフードに切替えてあげたりしましょう。
猫の食事(4) <注意が必要な食材>へ進む
猫の食事(2) <成長と食事内容>へ戻る
※コメント欄は、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。予めご了承ください。
お近くの動物病院をお探しの方はこちらアニコム損保動物病院検索サイト