概要
Overview慢性の便秘などによって、糞便が大腸(結腸)にたまり、異常に拡張した状態をいいます。過剰に拡張してしまうと、結腸本来の機能を失ってしまい、自力でうんちを排便できなくなることもあります。
犬では稀ですが、猫では比較的多くみられる病気です。

※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。
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原因
もっとも一般的な原因は、繊維質の少ない食事などによって便秘が誘発され、徐々に進行していくことで起きます。結腸に慢性的に便がたまるようになると、便の水分が結腸から吸収され、より固くなっていき、さらに排便が難しくなっていきます。これによって、結腸内に異常に便がたまるようになることで、結腸が風船のように伸ばされると、「巨大結腸症」と診断されます。
ほかにも、結腸の神経に異常を起こすことが原因で、腸が便を後ろにうごかせなくなってしまう場合もあります。また、異物、腫瘍、骨盤骨折などによって、便の通り道が狭まることで、この巨大結腸症が起きることもあります。
症状
便秘を起こすため、便が出ないというのが主な症状です。数日間にわたって排便がないこともあります。また、がんばってうんちを出そうと踏ん張る様子(しぶり)や、何度もトイレに行こうとするしぐさも見られます。
便秘が進むことで、食欲不振や嘔吐、痩せて行ってしまったり、脱水症状を起こすこともあります。
触診でも、おなかの中に大量の糞塊(ふんかい)がわかります。また、レントゲンでも大量の糞便がたまっていることが確認できるため、診断は比較的容易です。
治療
溜まっている便を外に出す処置を行います。
手袋をつけて、指をつかって肛門近くにある便をかき出します。浣腸を行う場合もあり、直腸内に温水などを注入して、便をやわらかくし、排せつしやすいように促します。この時、安易に浣腸用薬品を使うと、重度の脱水症状をおこす可能性もあるため、使用する場合は脱水に注意する必要があります。また、既にぐったりしているなど、重い症状がでている場合には、脱水や電解質異常のために点滴などの治療を行います。
長期的な治療には、繊維質の多い便秘用の療法食に切り替え、便軟化剤(べんなんかざい)などを併用することが多いです。便軟化剤は、ラクツロースなどが使用されることが多いですが、猫によっては味を嫌うこともありますが、根気強く量を与える必要があります。ほかにも、消化管の運動を促進する薬や、嘔吐防止のための内服薬を服用する場合もあります。しかし、繰り返し便秘を起こすことも多く、
便秘になって長期間が経過し、上記の内科的な治療法にも反応が見られない場合は、手術を行う場合もあります。
予防
バランスの取れた食事が重要です。とくに、食物繊維が多く含まれる「高繊維食」は、正常な排便を助けてくれます。腸内フローラを整えることも重要です。動物病院では、便秘の猫に向けて調整されたフードがあるため、かかりつけの動物病院に相談してみましょう。
また、しっかり飲水することも重要です。脱水を防止することや、すこしでもうんちに水分を多くしておくとよいでしょう。
この病気は、一度かかるとその後も繰り返しやすいことでも知られています。薬ひとつで治るものではなく、飼い主さんの協力が必要な場面も多いため、根気強く向き合っていくようにしてください。
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