腎不全 <猫>

概要

Overview

腎臓は、尿の生成、猫の体の中で不要になった老廃物や毒素を尿の中に排出、ホルモンの分泌などを行っている臓器です。この腎臓が障害を受けて十分に機能しなくなると、猫に多飲(お水をたくさん飲む)や食欲不振、嘔吐などさまざまな症状を引き起こします。この状態を「腎不全」といいます。腎不全は猫の老齢期での発症が多く、死亡率の高い病気です。

慢性腎臓病(猫)の診療フローチャート

※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。

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原因

細菌や猫伝染性腹膜炎(FIP)等のウイルスの感染による腎炎や、外傷、薬物などによる中毒、心筋症やショックなどによる腎血流量の低下、免疫疾患などによる腎炎、結晶や結石などによる尿路の閉塞などさまざまな原因があげられます。

症状

腎不全に至る時間経過により「急性腎障害」と「慢性腎臓病」に分けられます。以前はそれぞれ「急性腎不全」「慢性腎不全」と呼ばれていましたが、医療技術の進歩により腎不全に至る前の段階で早期発見できるようになったことなどから、早期の段階を含めてこのように呼ぶようになりました。いずれの場合も進行すると腎不全となり、老廃物を十分に排泄できなくなるため尿毒症の症状が現れます。


●急性腎障害
数時間から数日という短期間で腎臓の働きが低下し、腎不全に至るもので急性腎不全と呼ばれていた病態がこちらに含まれます。短い期間のうちに無尿、乏尿(尿量が著しく減少すること)、食欲不振、下痢、嘔吐、脱水などの症状がみられ、重症になると、痙攣や体温低下、電解質異常などを起こし、死に至る場合もあります。

●慢性腎臓病
急性腎不全と異なり、長い経過をたどり腎臓の働きが徐々に低下して腎不全に至ります。初期は無症状な期間がありますが、その後、飲水量が増え、尿量が増す多飲多尿の状態となります。また、体重減少や嘔吐、貧血などの症状がみられ、尿毒症まで発展すると元気消失、嘔吐、下痢、痙攣などの神経症状も引き起こします。

治療

●急性腎障害
原因となっている病気の治療に加えて点滴などで腎臓を保護する治療を行うことで徐々に腎機能が回復することがあります。急性腎不全から回復した後も完全に機能が回復せずに、慢性腎不全へと移行することもあります。急激に進行して、命にかかわることも多い病気ですので、無尿や乏尿など疑わしい症状の時にはできるだけ早く動物病院で診てもらいましょう。

●慢性腎臓病
慢性腎臓病で既に破壊されてしまった腎臓の組織は、回復することがありません。そのため、血液中の老廃物や毒素を体内に貯めすぎないようにして体調を維持すること、そして慢性腎臓病の進行をできるだけ緩やかにすることが治療の主体となります。その方法としては、点滴(静脈点滴や皮下点滴など)により体液を増加させることで尿量を増やすことで老廃物の排泄を促します。この点滴には脱水を補う目的もあります。また、設備の整った病院では腹膜透析や血液透析を行い、老廃物の排出を促すこともあります。腸内でタンパク質を吸着させ、便として体外に排泄させるような薬や腎高血圧をふせぐために降圧剤などの内用薬を投与する場合もあります。
さらに、腎臓の負担を軽減させるために食事療法が推奨されます。タンパク質の多い食事は尿毒症を引き起こす老廃物の素となるため、その量を制限することと良質な食事を与えることが重要です。また、ナトリウムやリンなどについても制限が必要です。食事療法に関しましては、腎不全用の特別療法食があります。給餌方法や量などについては、かかりつけの獣医師にご相談ください。

予防

腎不全の予防には、塩分を控えた栄養バランスのとれた食事や新鮮な水がいつでも飲める環境を保つよう心がけましょう。腎不全は、他の病気から引き起こされることもあるため定期的なワクチンや血液検査、尿検査などの健康診断を受けることも大切です。ご自宅では、猫の飲水量・排尿の状態のチェックをこまめに行ないましょう。また、多飲多尿などの症状がみられた場合は、早めに動物病院にご相談ください。

病気のデータ

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平均年間通院回数
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