皮膚糸状菌症 <猫>

概要

Overview

皮膚糸状菌症は、猫の免疫力がその発症に関与しています。免疫力が低い子ネコや、抵抗力が落ちている状態の猫に発症しやすい病気です。
『人畜共通感染症(ズーノーシス)』の一種であり、感染したどうぶつと接触することでヒトにもうつり、皮膚炎を起こすことがあるので注意が必要です。

 

皮膚糸状菌症の診療フローチャート

※コメント欄は、同じ病気で闘病中など、飼い主様同士のコミュニケーションにご活用ください!記事へのご意見・ご感想もお待ちしております。
※個別のご相談をいただいても、ご回答にはお時間を頂戴する場合がございます。どうぶつに異常がみられる際は、時間が経つにつれて状態が悪化してしまうこともございますので、お早目にかかりつけの動物病院にご相談ください。

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原因

皮膚や被毛に真菌(カビ)が感染することで起こる病気です。原因となる菌として次のような種類があります。
Microsporum.canis(犬小胞子菌)
Microsporum.gypseum(石膏状小胞子菌)
Trichophyton.mentagrophytes(毛瘡白癬菌)
これらの真菌は土壌等の環境中に常在しており、接触することによってヒトとどうぶつに感染します。

症状

症状は全身に起こり得ますが、とりわけ顔や四肢に発症することが多く、脱毛やフケ、皮膚炎等の症状がみられます。また、細菌の二次感染が起こるまでは、かゆみはあまり顕著でないことが多いようです。

皮膚糸状菌症の猫 (耳)
▲皮膚糸状菌症の猫 ( 耳の脱毛 )
皮膚糸状菌症の猫(右肩部)
▲皮膚糸状菌症の猫( 右肩部に円形の脱毛 )

 

治療

抗真菌薬(外用薬・内用薬)の投与を行います。他に、患部の毛刈りや抗真菌薬のシャンプーによる薬浴治療をする場合もあります。症状が改善するまで 1 ヶ月以上かかることが多いようです。

予防

感染したどうぶつとの接触をさけましょう。また、感染したどうぶつの抜け毛やフケからも感染することがありますので、衛生的な環境を保つよう心がけましょう。

病気のデータ

Disease data

病気のかかりやすさ(%)

平均年間通院回数
通院1回あたりの平均単価
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病気のデータ

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みなさんからのコメント

Comment
きょうちゃん
2025-05-07 09:48:20
生まれて1ヶ月過ぎた子猫なのですが顔の毛が両方ほっぺあたりからないのですが、何かの病気でしょうか?
アニコム獣医師
2025-05-08 10:06:10
>きょうちゃん様
幼い猫ちゃんの毛が薄い場合、細菌感染や真菌(カビ)感染、ノミ・ダニ・ヒゼンダニのような寄生虫疾患などを疑うことが多いです。まだ免疫がしっかりしていない子猫ちゃんでは、真菌による皮膚炎が比較的多く、また、真菌感染の場合は症状が拡大することが多い(人やわんちゃんにも感染します。)ため、早いうちにかかりつけの先生にご相談いただくことをお勧めします。
だい
2025-05-04 23:20:41
現在9歳の男の子なのですが、画像のように禿げてしまいました。
動物病院へ行き服用薬を処方され、飲み続けて2週間ですが、禿げが広がり続けており病院を変えるか悩んでいます。
このサイトで抵抗力が下がっていることが原因とされていると読み、他の病気にかかってしまわないかとより心配になってしまいました。ご意見の程よろしくお願いします。
アニコム獣医師
2025-05-08 09:59:46
>だい様
猫ちゃんの毛が抜ける原因には、細菌やカビ(糸状菌)、寄生虫、心因性、外傷など様々なものが考えられます。お薬を使っても改善が見られない場合、病変の再評価や薬の変更が必要になることもありますので、かかりつけの病院、または別の病院での再診をおすすめいたします。また、免疫力の低下が皮膚症状につながることもありますので、症状が長引く場合は健康診断を兼ねて血液検査等をお受けいただくことも一つです。
ひろみ
2024-09-09 09:21:51
もうすぐ5か月になるマンチカンの男の子です。
最近、鼻に黒いぶちができてきました。耳のもかさぶたのようなものが出来ています。
耳カビなのでしょうか?

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