犬のエキノコックス症とは?原因や治療法、日本での発生状況について

概要

Overview

エキノコックス症は、多包条虫(エキノコックス)という寄生虫が犬に感染することで発症する病気です。多包条虫は北半球に広く分布し、わが国では、 1937 年北海道礼文島で患者が発生し、 1965 年には道東地方で第二の流行が起こりました。今日では道内全域から毎年 5 - 10 人という規模で新しい患者の報告があります。イヌ科のどうぶつを終宿主とし、ネズミ類を中間宿主(寄生虫が終宿主に到達するまでの間に一時的に寄生する宿主のこと)としています。
エキノコックスの幼虫はヒトや野ネズミの肝臓に寄生し、強い病原性をもたらします。成虫はキツネや犬、猫などの肉食獣の小腸内に寄生し、病原性はほとんど示しません。

 

 

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原因

感染したキツネなどの肉食どうぶつは便に虫卵を排泄します。ネズミやヒトの場合、この虫卵に汚染された水や野菜などの食物や粉塵が口から入ることによって感染します。キツネや犬、猫は、虫卵からではなく、エキノコックスに感染したネズミを食べることによって感染します。この関係において、キツネなどの肉食どうぶつを終宿主、ヒトやネズミを中間宿主といいます。
エキノコックスの終宿主同士での感染は起こらないため、犬同士や犬から猫への感染等はありません。

症状

ヒト・・・ 潜伏期間が長く、初期症状が現れるまで成人では通常 10 年以上かかると言われています。初期症状としては、上腹部の膨満・不快感などが起き、進行すると肝機能不全となり、発熱・黄疸の症状がみられます。さらに進行すると全身状態が悪化し、腹水・浮腫等も起こし、命に関わります。

どうぶつ・・・ キツネや犬、猫など終宿主はほとんど無症状で、中間宿主であるネズミは肝機能障害を起こすと言われています。

治療

感染どうぶつには駆虫薬を投与します。この駆虫薬はエキノコックスの成虫に効果があり、ほぼ 100 %駆虫可能といわれています。

病気のデータ

Disease data

病気のかかりやすさ(%)

平均年間通院回数
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